Daylight
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櫻葉【149】◆Daylight◆
でも、そんなこと言ってられない。
オレのことは、オレがなんとかするべきで…。
「ニノ、、オレは大丈夫だから、、な?」
「相葉さん、わかってないでしょ?」
「わ、わかってるよ?」
「あなたが、、あなたが、、、
猫になんか命をあげたりするからっっ!」
悔しそうに顔を歪ませていたけど、
ニノの真っ黒な瞳から、ポロンって涙が落ちる。
「それは、、、ごめん………
でも、ほっぽっておけなくて。」
「そうやって、自分のことは後回しにして…
でも、それで他の人をもっと傷付けてしまうことだってあるんですよ?」
「だって、、、
死にそうだったんだよ…
マニーちゃん、生きたいって聞こえてきたんだよ…」
しょーちゃんには、言ってなかったけど。
マニーちゃんに命を分けちゃったことで、
オレが目を覚ます確率は、とんでもなく下がっていた。
それでも、しょーちゃんと過ごすうちに、目を覚ます確率は上がっていたし、
また、上がるだろうって思っていたんだ。
マニーちゃんも一緒になって、
しょーちゃんとの生活はもっともっと楽しくなっていたから。
なのに………。
オレの目を覚ます確率は、上がるどころか下がる一方で……。
ニノだって色々と動いてくれてたんだけど、
オレは、あの世ギリギリのところにいたんだ。
「前にも話しましたけど……
もしかしたら、もう運命が、、、。」
「それは覚悟してるから。
オレが自分でやったことだし。」
この世界では、“運命の操作”をすることはあっても、
“命の操作”は出来ない場合があるって聞いたんだ。
オレの場合…………。
オレが目を覚ます確率が上がらないのは、
もうオレが、しょーちゃんの運命の相手じゃないかもしれないからで。
それは、ニノにも、まだわからないことだって言われた。
そう、オレの運命は…………
オレの命と一緒に、マニーちゃんが持ってっちゃったかもしれないってこと。
しょーちゃんの運命の相手が、マニーちゃんになったかもしれないんだ。
…つづく…