Daylight
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櫻葉【147】◆Daylight◆
腕の中、雅紀の震えが落ち着くのを待ってから、
雅紀を 横 た え ると、
今度は自分が 上に重なる。
「ちょっとキツいかな…?」
「ん、、だいじょぶ……
しょ、ちゃん、、、もっと…
しょーちゃんと、もっとこうしていたい。」
言ったあと、はにかんで笑って、
両手で顔を隠すから、
その手を少し開いて、
恥ずかしそうに 噛 み 締 め ている
唇に口づける。
ゆっくりと動き出せば、
顔を覆っていた手は、
俺の腕を強く 握 り 締 め て きて、
俺が最後を迎える時には、
包 む ように 背中に 回される。
「雅紀、、愛してるよ…」
「オレも、、、。
早くね、早く、、、生身になってね。
それで、もっともーっと…
しょーちゃんとの思い出が欲しいな。」
「そうだな…
生身の雅紀に、
こうして二人で過ごした時間を
たくさん話して聞かせたいな。」
「ひとつぐらい…
覚えてられたらなぁ。」
それは雅紀の本音だったんだろう。
欲を出さない、雅紀の小さな小さな願い。
「よしっ!
じゃ、そのひとつはさ?
雅紀の初めてを貰った日がいいなぁ♪」
「んもぉ、、しょーちゃん?////」
「ふははっ!
思い出すたびに、そうやって可愛く赤面してくれるだろ?」
「もぉ、、しょーちゃんのばかっ////」
端から見れば、他愛のない会話だけど、
寝るまでの ひとときを過ごすのが大好きだった。
生きる意味と、それから喜びをもたらしてくれた“運命のひと”。
大切なひとと過ごすというのが、こんなにも至福に包まれるものだとは思ってもみなかったから。
その夜、雅紀が眠りについてから、ひとりベッドを降りた。
リビングに入り、ソファで寝てしまったマニーを見る。
真っ白な毛に、薄いカフェオレ色のぶち。
昼間も忙しなく動き回る雅紀にくっついて走り回ってるせいか、いつまでも細身で、小さな身体。
ほんと雅紀にそっくりだ。
「マニー、ごめんな?
今日は雅紀と二人で寝たいんだ。
妬くなよ?
朝方にはベッドに来てもいいからさ?」
そう言って、マニーのお気に入りのタオルをかけてやった。
…つづく…