Daylight
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櫻葉【98】◆Daylight◆
結局、雅紀の身体を傷付けてしまうとかなんとか…。
動き出してしまえば、考える余地もなくなって…。
止めどなく上がる息と汗の中、ただ雅紀を 抱 き 締 め て、ただ雅紀の 中へと 熱 を 送り続けた。
果てるまで夢中になりすぎて、しばらく 重 な っ た ま ま 動けないでいた。
「雅紀…?」
呼吸する音が落ち着いた頃、雅紀は眠りに堕ちていた。
時計を見れば、じきに短い針が8に届きそうで…。
20時か…。
眠りについても、まだ消えない時間だろう。
俺は雅紀を起こさないように身体を解放して、ローブを整えガーゼを掛けてやる。
スヤスヤと眠る姿は、さっきまでの雅紀からは想像も出来ないぐらい、幼さを残している。
今のうちに飯でも食うかな。
ベッドから降りて自分のローブも整えて、寝室のドアを開けると…。
ソファにニノが腰かけていた。
後ろ手に静かに寝室のドアを閉めてから口を開く。
「覗き見か?
随分と、、、悪趣味だな。」
こいつだって自由自在に透けていけるんだ。
一部始終を見られていたのかもしれない。
「悪趣味って…
別に見てたわけじゃありませんよ。」
「けど、何をやっていたか知ってるんだろう?
同じことだ。」
「同じって…
言わせて貰えば、知りたくなくても頭に届くんですよっ!
“軍手持ってこーーーい”とか?」
俺は、買ってきた惣菜をレンジの中に入れながら、噴き出してしまった。
「ふははっ、あははははっ…
そんなことまでわかるんだ?」
「念じ方が強い場合は、ですけど。
私のせいより、あなたのせいでしょ?」
温めた惣菜をテーブルに置いて、ビールを取り出した。
「で、なんの用?
“魂”とは セ ッ ク ス しないで下さいって言いにきたのか?」
「いえ、、、その件については前例がなかったんで…
今、上層部で会議しています。」
「じゃ、会議でアウトになったら、やめろってことか?」
「翔さん、、、私は…
そうはなって欲しくないんです。
私は、翔さんに感謝してるんです。」
…つづく…