Daylight


□【151】〜
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櫻葉【151】◆Daylight◆





クリスマスイブ。


雅紀は食べられないのに『チキンを買ってこい』としつこくて。

チキンを買って帰れば……。



「しょーちゃん、服、用意したから着替えてね♪」



「え?もう行くの?」



オレの飯は?
チキンとワインと、それから雅紀を食べるのは、後回し?



「待ちきれなくなっちゃった…」



雅紀は、数日前に届いたダンボールの中身を、
ひとつひとつ手に取って、
ニコニコしながら眺めては、
スーパーの袋へと移し変えてる。

色とりどりの花火は、赤や緑や金色のキラキラした飾りがついてるものもあった。



「花火なのに、ツリーみたいだな。」



側に行って、少し手伝った。



「あっ、言えてる…
このキラキラしたとこさ?
花火終わったら部屋に飾ろうよ♪」



「よしっ!それやるかっ!
でも、クリスマスじゃなくて…
雅紀の誕生日のお祝いだからな。」



「しょーちゃん………」



「ハッピーバースデー、雅紀。」



ソファに置いてあったローブを肩から羽織らせて、
腕の中に抱き締める。



「しょーちゃんと、誕生日出来るって思わなかった…」



「雅紀の誕生日は…
この先もずっと俺と一緒なんだろ?」



コクンと頷いた雅紀は、
目元を手の甲でグイグイ拭い出す。



「泣くなよ…」



「だって、、、
嬉しいんだもん…
しょーちゃんと一緒ってだけで、嬉しいんだもん。」




それから、着替えて準備をした。

雅紀も、“魂”の格好が冬物になって、モスグリーンのダッフルコートを着ていた。

それは細身の雅紀の可愛さを際立たせ、目を奪われる。



「それ、雅紀によく似合うね…」



「これね、、今日、初めて着たんだ♪」



「初めて?」



「買って、着ないまま入院しちゃったから。」



「そっか…
じゃ、お披露目したのも俺が初めてなんだな♪」



それから、洗車用に使ってたバケツに水を張る。

雅紀が外は寒いからと、やたらと厚着をさせられたけど、
バケツを持って玄関を開ければ、もう一枚着てくれば、、と思うほど凍てついた夜。



「雪が降りそうだな…」



「オレが産まれた日も…
ものすごく雪が降ってたんだって。」






…つづく…
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