Daylight
□【94】〜
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櫻葉【94】◆Daylight◆
雅紀は俺の胸に顔を埋め、しゃくりを残した鼻声で何度も『しょーちゃん、、』と呼んだ。
「なんだよ…」
「ふふっ、、しょーちゃん、、、」
そして嬉しそうに、俺の羽織っていたローブの襟を整えると、身体を押し上げてくる。
「雅紀?」
雅紀は自分も身体を起こすと、ベッドに無造作に散乱していたゴムのパッケージのひとつに手を伸ばした。
細い指がパッケージを破って中身を取り出す。
「しょーちゃん、教えてくれるって言ったよね?」
好奇心いっぱいの目をして、無邪気さを溢れさせて笑う。
そんな宝物チェリーくんに、俺自身の顔が崩れそうになっていた。
「それ、裏表があるからな?」
「わかってるよぉ・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・どっち?」
「ふははっ、、貸してみ?」
差し出された手と、真っ直ぐ見つめてくる瞳。
見てるだけでは普通の“男”なのに、触ることは出来ない。
改めて、不思議な感じがした。
「こっちが表側だな…
こっち向きでクルクルするだろ?」
「あー、そっか。
わかった。貸して?」
嬉しそうにゴムを受け取った雅紀は、俺のローブを勢いよく左右に広げた。
「わぁぁっっ/////」
と、思ったら、真っ赤になって慌ただしくローブの前を合わせる。
「どうした?」
「だ、だ、だ、だって…
そんなにおっきくなってると思わなかったんだもん///」
すみませんが、風呂からずっとこのサイズです。
治まる気配がない。
「だからって、、、
そんなにビビるか?」
「だって・・・
びっくりしちゃった////」
雅紀は、深く合わせたままのローブを少しだけ開いて中を覗き込む。
それから、顔を上げて俺を見る。
「俺、、、自分で着けようか?」
「ううん、大丈夫…
前も上手く出来たでしょ?
今日はびっくりしちゃっただけだから…」
…つづく…