Absolute ruler1

□ヒソカVSカストロ
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シャーロットとの初試合が終わって数週間後、私は…



「あ〜ん、●●●さまぁ〜!」

『…シャーロット、いい加減にしてくれ…様付けなんていいから…』

「だって…」



私はシャーロットに懐かれていた。

理由など知らん。

ゴンとキルアがいる部屋の前で急に飛び付かれた。



「聞いてください●●●様」

『様付けを止めたら聞いたげるよシャーロット』

「いけずぅ!では●●●さん」

『はいはい』

「明後日ご予定はありますか?」



…ない。

しかし、ここでないと答えれば問答無用でどこか連れていかれるな…



『明後日は…あ〜、天空闘技場からは出ないで子供の世話しなきゃならんな〜ははは、残念残念』

「あら、なら丁度いいわ」

『は?』

「明後日、ヒソカとカストロの試合があります、是非●●●さんと一緒に観戦したくて…」



チケット2枚あるから一緒に観戦しようとのこと。



『うわぁ…私どっちも苦手なんだよ…』

「そうですか?見応えはあると思うのですが…」

『てかシャーロット、君ヒソカを様付けしなくなったんだね』

「ええ、だって一晩相手してくれましたし…」



ホントに一晩だけでよかったのか…



「ヒソカって絶倫なんですよ、知ってました?」

『…聞きたくなかった…ってか、ヤッたの…?』

「?ええ、だって男女が一晩同じ部屋で夜を明かすなんてそれ以外ないでしょう?」

『ヒソカに言ったの?男だって』

「いいえ?気付きませんでしたよ?」



…ドンマイ、ヒソカ。

今度変なタイミングで教えてあげるよ…

ニコニコと嬉しそうに語るシャーロットはチケットをヒラヒラと私の前で振っていた。



「お願いします●●●さん、私、これだけはどうしても観たいんです」

『はぁ…どうして』

「ヒソカがカストロを負かす瞬間が観たいです、あわよくばカストロ死んでくれないかなと思いまして」

『そんなにカストロ嫌いなのか』

「ええ、だってアイツ、私に向かってこう言うんですよ!?君の念は美しくない、まるで君自身を表してるようだって!!しかも初対面ですよ!?!?」



あ、それは私も腹立つわ。

タダでさえ生理的に受け付けないのに初対面で襤褸糞(ぼろくそ)言われたら腹立つわな。



『うーん…まあ、行ってあげてもいいかなぁ』

「ホントですか!?」

『うん、ヒソカの念も見ておきたいしねぇ』



面白そうな念を使いそうだし。

ちょっとくらい見せてもらってもいいよね。



『チケットは君が持っててシャーロット、当日フロントで待ち合わせしよう』

「はい!ありがとうございます!」



花咲いたように笑うシャーロットは女性顔負けな美しさだった。

なんでも、整形はしてないらしい。

私はどちらかと言えば男顔だと言われてきたから、シャーロットの顔が少し羨ましいけど、その分幼い頃は女だなんだとからかわれたらしい…運動はてんでダメだったせいでやり返すことも出来なかったと悔しそうに語っていた。

努力したんだろうなぁと考えれば、邪険には出来なかった。

努力し頑張る子は可愛らしい。



「では●●●さん、また明後日に」

『うん、またね』

「えへへ」



ポンと頭を撫でてやれば年相応に笑う彼女は、17歳だったらしい。

自国ではもう成人らしいが、世界全体で見るとまだ未成年だ、歳も下だし、面倒を見てやりたくなるのは私が姉だからだろうか。

シャーロットが廊下の角を曲がったのを見て一息つき、私は部屋に入る。



「よお、まーたあの女に絡まれてたな!しかもデートかよ」

『悪い子じゃないんだけどね』

「ヒソカとその…カストロさん?だっけ、その試合オレも観たかったなぁ」



ゴンはウイングさんに観戦もダメだと言われたらしい、まあ、勉強になっちゃうし、まだ2ヶ月経ってないしね…

キルアはゴンと観る予定でチケットを2枚買ったらしいが、無駄になったそうだ。



「●●●はぜってー観に来ねぇと思ったから誘わなかったんだけど、来るんだったら先に誘えばよかったぜ」

『いや、誘われても行かなかったと思うよ』

「あの女、カストロに襤褸糞(ぼろくそ)言われたんだっけ?初対面で」

『そうねぇ…初対面でそんなに言える程オメーは偉いのかとぶん殴ってやりたいね』

「あ、珍しく●●●が生理的に受け付けないタイプの人間なんだね、カストロさん」



じゃあオレも苦手かも、と言って苦笑いするゴンが可愛かった。

何だかんだで私とゴンは嫌いになる人間がちょっとだけ似ていた。

大抵私が苦手な人間がゴンも苦手ってだけで、その逆はなかなかないんだが…



「ふーん、じゃあオレちょっと見てこようかなぁ、そいつ」



ニタリと笑うキルアは、あの暗殺一家がするような顔付きになっていた。

いや、キルアもその一家の一人なんだけどさ。
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