Absolute ruler1
□天空闘技場
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ゾルディック家に来てから約2週間、ゴンたちは未だ修行をしているらしい。
私はその間ずっとアルカと遊んでいた。
キルアには会わせてもらえなかったが…(ミルキが拷問してたし、まあいいかとテキトーに放置したから)
さすがにいつまでもここにいることは出来ないので、ゴンたちの様子を見にゼブロさんらの家に向かった。
『ゴーン、クラピカー、レオリー』
「あっ!●●●だ!!」
「なにぃ!マジか!!」
「久しぶりだな、●●●」
3人は元気そうに修行をしていた。
これなら試しの門の1くらいは開けられそうだ。
『どう?もうそろそろ行けそう?』
「今日はこの後ゆっくり休んで、明日から行く予定だ」
『なるほどねー、私はちょっとここに長居出来ないから御暇させてもらうよ』
「そっか…ねえ、●●●はキルアに会った?」
『いや、会わせてもらえなかったわー、あの頑固者め』
面倒だったし、私はアルカを優先したからなぁ。
私の返答に暗くなる3人。
『でも3人が行くことで何か変わるかもしれないだろ?諦めんな、友達だもんな?』
「うん!」
『よしよし、私はこの後天空闘技場ってとこに行く予定だから、何かあったら連絡くれればアドバイスくらいは出来るから』
3人とゼブロさんに挨拶し、試しの門から外へ出る。
天空闘技場まで飛行船で行くか、それとも…
ピリリリリッ
『ん?』
マイ携帯が着信を知らせる。
この着信音は…
『…もしもし、ガラン?』
「ほっほっ!ワシじゃよ!お主は●●●でいいかの?」
『うん、私だよ』
私の返事に一拍置いてから笑い出すガラン。
ガランは少し特殊な人間である。
ガランの前で嘘をつくとある意味即死する。
だからガランの前で、引いては電話ですら嘘をつけれない、ガランは相手が嘘をついてないか確認するためだけに知っている番号ですらこうやってわざわざ名前を確かめたりする。
それも、ギルドメンバーを傷付けないようにするためにやっているとわかっているから、私達は何も言わない。
ガラン本人ですら、その力に振り回されているのだから。
『今回はどうしたの?』
「ちとのぉ…ケフカから手紙を預かったんじゃが…マリアにも見せおってのォ…マリアが行方不明じゃ」
『何アイツ馬鹿なの』
「マリアももう八つになるが、まだまだ上の者には甘える時期じゃ、それはお主もわかっておろう?」
『うん、だけど私にも手放せない用事があってね…』
わかっとる、じゃから見せずに対応を…とボヤくガラン。
上手くやろうとはしてくれたらしい。
が、ケフカが余計なことしてくれた、これはデート取り下げ案件だな。
『わかった、マリアが1人でこっちに来るとは思えないし、フェザリーヌもそっちに送るから、頼んだ』
「あとケフカなんじゃが…」
『ん?』
「憎々しそうに弟がどうのと言っておったが大丈夫かの?あやつに弟がおることなんぞ初耳じゃったからの」
『…マジか、ありがと』
これは…ケフカ、わざとだろ…
もはや呆れを通り越して感心するぐらいだ、よくもまあそこまで思いつくな…
マリアの念能力を使えば、きっとヒソカは私達に近付けない…それをうまく使おうとしたんだろう。
でもマリアはヒソカのこと知らないし、手紙にも帰るの遅くなることしか書かなかったから…うーん、どうするか…
『とりあえず、フェザリーヌに連絡を…』
「呼びまして?」
『…うん、呼んだ』
私の真後ろに現れたフェザリーヌ。
彼女の念は時を止め、空間を捻じ曲げる#\力である。
故に、こうして私に気付かれずに真後ろに立つことだって可能なのだ。
ある意味、最強の念なのではないかと思う。
『フェザリーヌ、聞こえてたかは知らないけどマリアが消息不明』
「あら…それは行けないわね…」
『頼める?』
「ええ、でもマリアが…」
『ケフカのせいだから殴ってよし』
「まあ…そう、殴っていいのね…」
ふふふ…と黒い笑を浮かべるフェザリーヌは恐ろしい。
フェザリーヌは鈍器でケフカを殴るだろう、んでもってケフカはそれを避ける術を持たない。
『頼んだよ』
「ええ、任せて、マリアはガランに預けていいのよね?」
『ん』
頷けばフェザリーヌは一瞬で姿を消した。
時間を止めて亜空間を開き、入ると同時に時間を再開させた、が正しいか。
『さて…と』
私もそろそろ行こうかねぇ…
天空闘技場へ。