Absolute ruler1
□トリックタワー
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マーメンから三次試験会場に着いた旨を知らされ、受験生はとあるタワーに降ろされた。
トリックタワーと呼ばれるそのタワーから、生きて降りてくることが試験内容である、しかも72時間以内に。
『トリックタワーねぇ、72時間も設けてるし、何かしらあるね』
「どうやって降りればいいかな?」
「ロッククライミングとか?」
『それ死ぬぞ?』
少し前にロッククライマーが壁を伝って降りていったが、怪鳥に食われてしまった。
私ならともかく、ゴンたちには無理だろう。
『どこかに隠し扉があるんだよ』
「どこに?」
『アホ、隠し扉が堂堂とあってたまるか』
ゴンは天然なのか本物の阿呆なのか…
『んじゃ、みんな頑張りたまえよ』
「●●●はどうする──って、待て!!そっちは!!!」
「飛び降りる気かよ●●●!!!」
『ご名答!』
タンッと地を蹴り、そのまま猛スピードで落ちて行く。
落ちる速度がそれなりにあるからか、怪鳥はこちらにはやって来なかった。
別に来てもいいのに…
『念が使えるとバレたくはないし、そろそろ…』
腰に差してあった刀を取り出し、鞘からは抜かずにそのままタワーに突き立てる。
ガガガガッと音を立てながらスピードを落として行く。
スタッ
『よっと…はい、ちゃんと降りた』
条件の生きて降りてくる≠アとはクリアしたんだし、別にこれでもいいデショ。
『リッポー、扉開けてー』
「…相変わらずだな、お前は」
『条件はクリアしたさね』
「わかっている」
ゴゴゴ…っとタワー内に繋がる扉が開く。
そこに入ればリッポーから合格の放送が入る。
「トリックタワー 369番●●● 三次試験通過第一号」
『うぇーい』
「所要時間14分…チッ」
『舌打ちしたな!?』
聞こえてるんだからな、リッポーめ…!
どうせ本人はタワー内にはいないんだろうし…くそ、ツマラン。
『てかあと72時間とか…待てないわ』
3日間なにもないんだろ…?
それはそれでつまらない。
『リッポー、私もっかい頂上から始めてもいい?』
「…構わんが、降りて来られなければ失格にするぞ?」
『はいはーい』
試験官からの了承も得たし、行くか。
タワーから出て、頂上目掛けて一気に駆け登った。