Absolute ruler1

□スシ!?
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二次試験 ブハラ指定メニュー 豚の丸焼き 通過者72名


ふーん、400人はいたのにもう100以下か。

大体はヒソカのせいだけれども。



『そう、私のせいではないのだよ』

「何が?」

『何かが』

「?」



不思議そうにこちらを見つめるキルアの頭を撫でる。

そん時に若干殺気を送られたのは気付かなかったことにしておこう。

イルミ、ブラコンかよ。



「あの女の人、何のメニュー言ってくるかなぁ?」

「女なんてメニュー云々じゃなくてスイーツとか言ってきそうだよな」

『馬鹿めレオリオ、メンチがスウィーツなんて言ってくるわけが無い』

「はあ?」

『メンチが出す課題が簡単なワケがない』



顔を引き攣[つ]らせてそう言えば、レオリオの顔も引き攣った。

そう、メンチの出す課題の難しさはヤバい。

昔メンチが一つの高級フレンチを出す店を潰したことがあると、ブハラから聞いたことがある。

難題を突き付けすぎて、料理人が再起不能となったからだ。



『ハァ…』



面倒だけど、じぃさんに連絡しておかないとかねぇ。

メンチが合格者をホントに出さなそうだったら、だけど。



「ブハラと違って私は辛党よ!審査もキビシクいくわよ〜!」



みんなが息を飲んで課題の言い渡しを待つ。

待てメンチ、お前タダでさえ厳しいのに更にキビシクだと?

全員受からんじゃないか…



「スシよ!!」

『………寿司?』

「●●●、知ってる?」

『いや…全く知らん』



知ってる、知ってるけども…

いや、うん、ホントに無理ゲーじゃないかよ…



『ハァ…全く知らんものを作れ、ねぇ』

「どうする?他の人にも聞いてみる?」

「ばーか、知ってても教えてくれるわけねーだろ」



キルアの言う通りだよゴン…

建物内には寿司を作るのに必要最低限のものだけは揃っていた。

酢飯に包丁、取ってくるのはネタのみだ。



「魚ァ!?お前ここは森ん中だぜ!?」

「声がでかい!川とか池とかあるだろーが!!」

『…だ、そうだよ?クラピカは博識だねぇ』

「行くっきゃねーだろ」

「うん!オレ達も早く行こ!」



ダッと走り出す受験生一同。

それに対して私…と、ヒソカは動かなかった。



「や♢●●●は行かないのかい?」

『そうだねぇ、魚は期待出来ないからなぁ』

「?スシって何か知ってるのかい?」

『へぇ?ヒソカくんは知らないのか〜』

「…イラッとくるね♣︎」



ニヤニヤしてたら頬を抓(つね)られた、解せぬ。



『いひゃい』

「よく伸びるね♡」

『…』



手の長さが違うから、私はヒソカの頬を抓られない。

ふぁっく┗(⌒)(╬´ ω `╬)(⌒)┛



「●●●は行かないのかい?」

『ひゃかにゃにきひゃいてきにゃいっへいっはへひょ(魚に期待出来ないって言ったでしょ)』

「♠」



ニギリズシしか認めないとは言われたけど、魚じゃなくても握り寿司は作れる。

丁度豚肉もあるし、焼くかね。



『いいはへんはにゃへよ(いい加減離せよ)』

「はいはい♢」

『くっそ〜…ヒソカなんて禿げてしまえばいいのに…』

「💀」



小声で禿げろと連呼したら禿げてかないかな…



「じゃあボクは外に出るけど、●●●も早めに行ったほうがいいよ、そんな大食いじゃなさそうだしね、彼女♢」

『メンチは大食いじゃないよ、普通、ただ舌が肥えてるから』

「…それ合格者出るかい?」

『………頑張れば、きっと、うん…』



思わずヒソカから目を逸らしてしまった。

だってメンチが合格者を出すとは到底思えなかったから。

でもやらないよりはやった方がいいと伝えると、ヒソカは外に出て行った。
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