Absolute ruler1
□料理?
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『ゴン、まだ来ないねー』
「だから、もうここには来れねーだろって」
『いやー、ゴンなら大丈夫だと思ったんだけどねぇ』
ふあ…と欠伸を零す。
サトツさんの言っていた二次試験会場に着いた受験生。
その中にゴンとクラピカ、それにレオリオもいなかった。
キルアは無事に辿り着いていたので、ゴンたちの行方を聞いたらヒソカの殺しに巻き込まれた可能性大。
『うーん、私のせいな気がしてならない…』
「は?」
『いや、なんでもないよ、二次試験開始まで時間あるし、もうちょい待ってみようか』
「はあ?どうやってここまで辿り着くんだよ!」
そこは…ゴン自身に頑張ってもらわないと。
ゴンならきっとここに辿り着く。
そんな気がする。
『にしても…』
ぐるるるるるる…
『…聞き覚えのある音だ…』
「は?これ、聞いたことある音なのかよ?」
『うん』
「マジか、どんな動物?」
いや、動物っていうか…いや、動物ではあるんだけれども…
『人間なんだけどさ』
「はァ?どうやったら人間がこんな音出せんだよ」
ごもっともである。
であるんだけども…若干1名、このような音を出せる人物に心当たりがある。
『二次試験、受かるかなぁ…』
「気になる言い方だな、教えてよ」
教えてもいいけど、やる気は失くすぞキルアよ…
「●●●ー!キルアー!!」
「ッ!?ゴン!!?」
『あ、やっぱ来れたか』
嘘だろ!?と叫ぶキルアを見て笑う。
確かに、普通の人間には無理な芸当だ。
私は円≠使えば難なく来れるけど、念すら知らないゴンがここまで辿り着けたのは…
『相変わらず、凄い嗅覚だね』
「うん!レオリオのオーデコロンの匂いをね」
『…オーデコロン?』
「そうだよ!それを辿って来たんだ!!」
『oh………』
そーゆー意味の嗅覚って言おうと思ったんじゃないんだが…
まあ、来れたならいいや。
『で?そのレオリオは?』
「えっと、ヒソカが…」
ゴンから話を聞くと、どうやらヒソカが試験官ごっこなるものをやったらしい。
どうでもいいとは思ったが、半分くらいは私のせいな気がする。
あの時苛立ってるヒソカを挑発しちまったし…
『なんて言うか、すまんな』
「え?なんで●●●が謝るの?」
『いや、うん…』
とにかく、すまん。
『…!あー、ゴン、ヒソカが呼んでる』
「うん、なんか感じた」
「オレも」
「私もだ」
『殺意のない殺気、気付かせるためだけに送られたものだね』
行っといでと、ゴンと側にいたキルアの背中をポンと押す。
レオリオはヒソカが運んだらしい。
へえ、ご苦労なこって。