Absolute ruler1
□ヌメーレ湿原
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『あー…ここかぁ…』
「「?」」
大きな公園があったのは知ってた。
ただその前のこの湿原≠フ存在は忘れてた。
「ヌメーレ湿原、通称詐欺師の塒%次試験会場へはここを通って行かねばなりません」
『ヒソカの塒…』
「呼んだかい?」
別に呼んだわけではないんだけども。
『ここヒソカいっぱいいるらしい』
「ボク、詐欺師じゃなくて奇術師なんだけど♡」
『同じじゃん』
「違うって♣」
「十分注意してついて来てください、だまされると死にますよ」
ホントに死人が出るからなぁ、ここ。
半分くらいになりそう…いや、もっとかな?
あと隣がヤバい、隣からの殺気がヤバい。
「ウソだ!!そいつはウソをついている!!」
『ん?』
大声がした方を見てみると、ボロボロな男がいた。
その手には…猿?なんか変なのを連れていた。
「そいつはニセ者だ!!試験管じゃない、オレが本当の試験管だ!!!」
『へぇ、面白いことを言うねぇ』
「!?」
{!?}
ケラケラと笑いながら前に出る。
目立つけど、別に構いやしない。
『君がホントの試験管ねぇ』
「そ、そうだ!オレが本当の…ッ!!!」
『じゃあ証明してみせて?』
小さいナイフをヒュッと投げつける。
そのナイフは大声を出していた男の額に刺さる。
声を上げることもなく、その男は倒れ、周りは小さく悲鳴を上げた。
『あまり私の友達を馬鹿にしないでおくれ…殺しちゃうぞ☆』
「もう死んでるよ●●●♢」
倒れた男を見下していたら、その手にいた猿がバッと逃げ出した。
特に仕留める必要もないと思っていたが、猿の後頭部にトランプが刺さった。
そんなことやるのも、出来るのも1人しかいない。
「くっくっくっ…♢なるほどなるほど♣」
ニヤニヤと笑うヒソカ。
猿だけじゃなく、サトツさんにもトランプを投げていたらしい、サトツさんは普通にキャッチしていたが。
「試験官というのは審査委員会から依頼を受けたハンターが無償で任務につくもの♢我々が目指すハンターの端くれともあろう者が、あの程度の攻撃を防げないわけがないからね♣」
『見りゃわかるだろ、私の友人に何するんだ』
グーでヒソカの後頭部を殴る。
周りはその事にヒッと声を上げていたが、私は気にしない。
サトツさんはヒソカのトランプをピンッと弾いて捨てた。
「褒め言葉と受け取っておきましょう、しかし次からいかなる理由でも私への攻撃は試験管への反逆行為とみなして即失格とします、よろしいですね」
「はいはい♢」
今すぐにでも失格になればいいのに…
再び走り出したサトツさんと受験生を横目に、私はヌメーレ湿原を見つめていた。