シミュレーテッドリアリティ 1
□お隣さん
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『うーん……』
なんとなく、ここがどこだかは分かった。
スーパーやコンビニ、駅や公共施設の場所も把握。
それもこれも超便利なスマートフォンのおかげである。
ホント、スマートフォン様様だな。
『……あの悪魔でさえ持ってないってのに…』
そう、あのヒル魔妖一ですら、スマホを持っている描写がないのに、である。
これ見つかったら私死ぬんでね?
スマホの他にケータイ1台買っておこうと決意した瞬間だった。
『あとは…お隣さんに挨拶か…』
何持っていけばいいんだっけ…菓子より?
いやでも甘いの苦手な男の人だったらどうしよう…菓子なんて悪いよなぁ…
普通に使いそうなタオルとかでいいかもう面倒くさいから。
吸水性謳ってるちょいとお高めのタオルで。
あとは食材とかもうテキトーに買って帰ろう、他にも把握すべきことはいっぱいあるんだし…
『にしても…これからどうするか…』
私はこれからどんな風に物語に関わらなければならないんだ?
全く想像がつかない…
あの自称神様からなんの連絡もない。
泥門高校1年生、つまりは小早川瀬那くんと同じ学年になるという事か。
主人公と同じ学年とは如何にも有りがちな設定だな。
『思い出せよー私……あの自称神様が言ってたのは関わりを持たせることと偶然を結び付けることだろ…』
つまり、ある意味ではアイツは縁結びの神様みたいなもんなんだよな?
強制的に関わりを持たせる縁結びの神がどこにいんだよって思うが……まあ人間が考えつかないようなレベルの話だって言われたら私はもう考えることを放棄する以外ないんだけれども。
ガチで退屈しのぎだってんなら叩き潰す。
『………ふぅむ…』
思考を止めたら壊れそうだな…
何一つ想定内の事が起きないと思って覚悟を決めねばならないか…?
考えれば考えるほど頭が痛くなってくるな…くそ。
『とりあえず、アイツの言う通りに動いてみるか…』
まずはお隣さんに挨拶≠ゥ。