Absolute ruler1
□意図せぬ再会
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軽いケガじゃ済まなくなると踏んだのか、ヒソカは大人しかった。
「にしても、ここが暗黒大陸ねぇ…道理で来た瞬間からピリピリすると思ったよ♦」
「じゃろうなぁ、ここでは本能に忠実になった方が身の為じゃぞボウズ、逃げたいと思ったら真っ先に逃げよ」
「ふぅん…あまり逃げるのは好きじゃないけど、確かに嫌な感じはするね♣︎」
「マリア思うんだけど、このピエロさん、ケフカに似てない?ねえねえ●●●、ケフカ??この人ケフカ??」
マリアはヒソカがケフカに見えるらしい。
まあ、兄弟だし格好もそれなりに似てるから仕方ないと言えば仕方ないけど。
「むむむ…言われてみれば似とるのぉ…じゃが他人の空似ではないかの?マリアや」
「でも…」
『ガラン、マリア、この人はケフカの弟なんだよ』
「…なんと…あの馬鹿に弟がおったとは…うーむ、苦労したじゃろ」
ホロリと涙を流すガランにヒソカは笑みを深めた。
「苦労してないと言えば嘘になるけど…嫌いじゃあないかな♠好きでもないんだけどね♦」
「虐められなかった?ケフカ、虐めるの好きだから…」
「大丈夫だよ♥ありがとう、小さなお姫様♥」
ポンポンとアリスの頭を撫でるケフカ。
マリアは嬉しそうに笑っていた。
よかった、ヒソカがマリアに嫌われなくて…
「なんじゃマリア、ケフカは嫌いなのに此奴は大丈夫かの」
「うん、だってケフカはマリア見るとすぐ意地悪するけど、この人はマリア虐めないもん」
「カッカッカッ!!お主の基準は自分を虐めるかどうかか!!」
ゲラゲラと笑うガランに、馬鹿にされたと思ったのか、涙目でぽかぽかと叩くマリア。
さて、団欒(だんらん)もいいんだが…
『フェザリーヌ、ちょっと向こうの天空闘技場見てきてくれない?』
「何かありまして?」
『…幻影旅団のメンバーと鉢合わせしそうになってね、追われたから逃げてきたんだ』
「そう、でしたか」
苦笑いすればフェザリーヌはお任せ下さいと言い、亜空間へと入っていった。
「●●●♥」
『…はいはい、話せってんでしょ』
「いや、それはいいや、あまり興味もないしね♦」
『いいんだ…』
絶対何かしら聞いてくると思ったのに…
「ボクはここの地に興味津々だね♥入り口に立つ前に中に入っちゃったし♦」
『それな、正規ルートなんてありゃしないから、入り口もなんも、ないっちゃないんだけどさ』
「そうだったのかい?」
『まあ…暗黒大陸から見たら君たちのいる世界は池の中の孤島レベルだから』
私はガランの前の席につき、ヒソカは私の隣に座った。
アリスはガランの隣だ。
さて、何から話そうかね。