Absolute ruler1

□ヒソカVSカストロ
2ページ/4ページ


「さぁーいよいよです。ヒソカ選手VSカストロ選手の大決戦!!」



実況者がいつになく熱く語る。

この2人の対戦はとても人気で、シャーロットはどうやってチケットを手に入れたのかとても気になった。

聞きはしなかったけど。



『いい席だねシャーロット、最前列なんて…結構したでしょここの席』

「?いえ、タダでしたよ?」

『え?』

「なんだか知らないお兄さんが、一緒に食事してくれたらタダでくれるって言ってただで貰いましたわ」



…シャーロットには今度フェザリーヌに会わせて色々教育してもらおう、フェザリーヌなら色々わかってくれそうだし、あっちの面子の中では常識人だ。



『シャーロット』

「はい!」

『知らない人にあまりついてかないようにね…特に、肉体派な感じの奴とか、妙に危険な感じのする奴とかには絶対』

「むぅ、私そこまでお馬鹿じゃありませんわ」



人は選んでますぅ、と頬を膨らませるシャーロット。

ならば是非好む相手も選んでほしいものだ、ひと目見ればヒソカなんてヤバい奴にしか見えないだろうて。



「感謝するよヒソカ、お前の洗礼がなければ私はここまで強くはなれなかっただろう」

「…くくくく♠誰が強くなったって?」

「言っておくが、お前に敗れた後の9戦、一度として全力で戦ったことはない…全て、お前を倒すための準備運動にすぎない!」



カストロはヒソカに何らかの因縁があるらしい。

ヒソカが2度目を戦うということは、カストロを生かした…成長の見込みがあると判断したということだ。



「始め!!」



開始合図とともにヒソカに向かっていくカストロ。

右手で攻撃を仕掛けるが、それを避けるヒソカ。

だが、ヒソカは攻撃を受けてしまう。



「クリーンヒットォ!!」

『「分身(ダブル)だ/だわ」』



シャーロットとハモった。



『…シャーロット、今のでわかったの?』

「?はい、私、目はとてもいいんですの、それに執事が分身(ダブル)を使うのですぐにわかりましたわ」

「本気で来い、ヒソカ、2年前の私とは違う、次は容赦しないぞ」



これは驚いた…この子、領家のお嬢様か?

念を使える執事がいるとか…ゾルディック家レベルとはいかないまでも、錚々(そうそう)たる家柄だぞ…

でもシャーロット家なんて聞いたことないな…

私が考えてることがわかったのか、シャーロットはクスリと笑った。



「…●●●さん、シャーロットはミドルネームですの」

『あ、そうだったの』

「はい、オルフェン=S(シャーロット)=パラディウムがホントの名です」

『………パラディウム!?』



パラディウム家と言えば、表向きは広告代理店で有名…しかし、裏では人体収集や悪どいことをやっていると専らの噂だ。

警察は立ち入れないらしく、逮捕はされていないが…



『これは凄いな』

「でも私、勘当された身ですので、パラディウムは名乗れないのですわ」

『…それでシャーロット=オルフェンを名乗ってるのか』

「私、姉が2人いまして、お父様としては念願の男だったみたいなのですが、私はこうでしょう?怒られてしまって…喧嘩して勘当されて、出てきてしまったのです、丁度弟も出来たのでいい機会だと思いまして」



世界は広く、同じような境遇の方にもお会いでき、お話も出来て私今…幸せなんです。

そう言って綺麗に笑うもんだから、私は簡単に未成年だから家に帰って学ぶこと学んだ方がいいと言えなくなった。

まさか勘当された身とはね…



「でも全てを弟に背負わせてしまいました、そこだけは気がかりです」

『でも戻る気はないんだろう?』

「はい、こんなのがお兄ちゃんなんて、ガッカリでしょうし…恨まれても、しょうがないとわかってます」



少しだけ寂しそうに語るシャーロットは、大人びて見えた。



「それでもこれは私の人生ですし、好きなように生きたいと思います」

『…ん、いい事だ』

「ふふっ…、あっ!ヒソカ〜!!頑張って〜!!!」



あとは好みだけはどうにかした方がいいと思う、真面目に。

ヒソカに向かって手を振るシャーロットに、苦笑いした。



「お〜っと!?これは!魅惑の胡蝶蘭≠アとシャーロット選手です!お隣には瞬神≠フ●●●選手もいます!どういった組み合わせなんでしょうか〜!!?」

『…やめてくれマジで…』



片手で顔を覆うように隠した。

ただでさえ恥ずかしい2つ名に、ヒソカとカストロの戦いの観戦だなんて…後で取材が面倒になるんだから…



「ふっ…●●●さんが見に来てくれるとは」

「君を見に来たわけじゃないと思うよ♣︎」

「フンッ…ヒソカ、一つ賭けをしないか?」

「ふーん、どんな賭けだい♥」



どうせくだらない賭けだろう。



「私がお前に勝った暁には、●●●さんはこの私が貰う!!」



カストロのこの発言に、私はもう口角が引き攣った。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ