小説

□誰もいない日々
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ひろ、と、呼ばれた男の子


思い出すのは病院の白い壁。
看護師さんたちの笑顔。
退屈な治療。

僕が学んだのは、どうしたら看護師さんたちにかまってもらえるか。笑顔にできるか。看護師さんの人間関係。大人には力関係や好き嫌いがあるということ。

会いに来てくれる家族の温かさ。
でも、必ず、帰ってしまうということ。

2才の僕。
内斜視の手術で、立体視を手に入れた。
せつない日々だったけれど、世の中を渡っていく全てを学んだ。

ずっと君のそばで、
君を見つめて笑うための力を手に入れた。
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