私作小説
□右腕の無い右利き聖者
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「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」
一人の娘が、息を切らして走っている。
娘の背には、大きな剣が在る。
「たくッ!しつこいんだよッ! あいつ等!」
娘の後方から、数人の男達が追って来た。
「待てごぉらぁ!!!!このクソガキ!」
男達を中の何人かは、傷だらけで、服もあちこちが裂けていた。
「そっちから仕掛けたってのによ・・・ッ!」
それは、数十分前の事────
娘、サロはある街に来ていた。
「あいつの言ってた街ってのはこれか?」
大きなフードを被ったまま、協会を見上げ、不機嫌な声で呟いた。
その時、肩に衝撃を受けた。
サロは元々、そんなに背が大きい方では無かったので、よく人にぶつかることが有った。
「あぁん?んだてめぇ?」
ぶつかった男が、サロに詰め寄った。
「おい、人にぶつかってなにも無しか?おお?あれ、女じゃん ならまぁ、今回は、許してやんよ♪俺と遊んでくれたらな。」
そう言って、サロのフードに手をかけた───
「勝手に触んな・・・ッ!」
このサロの態度が気に入らなかったのか
「おい、女だからって調子乗んなよ?」
男が、ドスの効いた声でそう言った。
サロも、元々不機嫌だったのか、思いっきりガンを飛ばし、
「女だからって舐めんなよ?」
そう言って、コートを脱ぎ捨て、背中にある剣を左手で、構えた。
「!!!?」
男達は、その事の他に衝撃を受けたのは、
「な、右腕が・・・無い・・・」
そう、サロには、右腕が無かったのです。