刀の物語

□刀短編【腐】随時更新
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薬宗(薬研の一人称を俺にしています。スミマセン)
「どうでもいい」


ドンッ!
一瞬何が起こったか分からなかった。
叩きつけられた背が熱い。
おずおずと見上げるとその目は怒りに燃えている。
「俺は、天下人の象徴とかどうでもいい。お前が宗三左文字であろうと義元左文字であろうと。お前がお前であればどうでもいい。俺は、」
そこで薬研は息を吸い言った。
「『お前』が好きなんだ」
薬研はいつも恥ずかしいくらい真っ直ぐで、本当に欲しい言葉を投げかけてくれる。
すると薬研はぐいっと宗三を引き寄せ、はだけた胸元に浮かぶ刻印、その上に口を重ねた。
「信長様は好きだけどな、本当はこんな刻印削り取って俺の痕だけを残したい」
さらりと宗三の胸元のに付いた痕を撫ぜた。
こらえきれなくなった宗三は薬研に抱きついた。
「薬研、好きです。あいしてます」
ふっ、と薬研は笑い
「ああ、俺も愛してるぜ宗三」
二人は名残惜しげに離れると、口吸いを交わした。
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