終わりのセラフ【モノクロガール】
□第一章
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ヴァンパイア歴2016年
地下都市サングィネム
「ミカ！」
まだ、幼い少年の声。
「おいミカ！これ見てみろよ！」
その声の主である少年が
手に持っているのは、一冊の本。
タイトルに『夜を歩く者の手記』と
書かれている。
「吸血鬼ども、頭破壊されると
死ぬらしいぞ？」
本で得た知識なのだろう。
本を指差しながら隣にいる友人もとい
家族である少年にも教えている。
が、ミカと呼ばれた少年は
「………ちょっと考え事してるんで
話しかけないでくださーい」
などと言って、目を閉じている。
が、本を持っている少年は
気にせず話続けている。
「あと腕につけている腕章みたいな
装置外すと紫外線で死ぬらしい！」
「興味ナッシングでーす」
座っていた椅子から、背中だけ起こし
本を持っている少年の方を見る。
「だいたい優ちゃん
そんなの調べてどうするんだよ」
「そりゃ決まってんだろ！
強くなって、吸血鬼どもぶっ殺すんだよ！」
そんなこと迷いなく言う家族…優を見て
ミカエラはハァと、溜め息を吐く。
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