流星群
□バースデー
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「先ずは、ここに置いてある砂糖を中央の穴に入れます。」
赤、青、黄と沢山の色をした砂糖が並んでいる。
ウイスは青色をスプーンで掬い中央の穴へと入れる。
「さてさて。」
割り箸を片手にソワソワと動くウイス。
楽しそう…目なんかすごくキラキラしてる…
初めて見たウイスの表情に思わず見惚れてしまう。
そんなチヨラにウイスは気づかぬが、ビルスは気づいていた。
「ウイスに渡してたまるか…」
ビルスはボソリと呟いた。
「チヨラ?どうしました?」
『へ?』
青色の綿菓子を片手にウイスはチヨラの顔を覗きこむ。
『あ、えへへ。』
ポリポリと頬を掻いて目を逸らす。
『次は私の番だね!これでいいや!』
砂糖を取って中に入れる。
「チヨラ?」
『ふふ、まだかな~って痛っ!』
機械に近づきすぎたのか、砂糖が飛んできて目に直撃。
「大丈夫ですか!」
ウイスはチヨラの顎を両手で覆い上を向けさせ、傷の確認をする。
「血が…」
瞼からは薄っすらと血が出ていた。
『あ。ただのかすり傷だし…大丈夫だよ!』
ウイスの手首を掴み、引き離そうとするがびくとも動かない。
「目を閉じてください。」
耳元で囁かれ、ビクリと肩を震わせる。
「大丈夫ですから。」
『うん…』
指示に従い目を瞑る。
「いい子ですね…。」
ウイスはペロリと傷口を舐める。
『…っ』
「…もう大丈夫ですよ。目を開けてください。」
目を開けると、ニッコリ微笑むウイスの顔。
「血は止まりました。」
『ありがとう、なら手を離してよ…』
顔を真っ赤に染め、涙目でウイスを見上げてそう言う。
だがウイスは手を離さない。
「仕方ないでしょう?こんなにも可愛らしい顔を他の者達に見せるわけには…」
「おい、ウイス。」
「…なんでしょう」