あの日のこと 2016/10/11完結

□17・二番目の幼稚園
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 今回は二番目(息子)のお話です。

 その年、二番目は卒園・入学を控えていました。

 幼稚園にはあまり被害がなかったそうです。

 しかし、こんな状況なので今後の見通しも立たず、とにかく自宅待機でした。

 そこに、先生から連絡がありました。

「もしも家の片付けなどで忙しいのであれば、その間、幼稚園に登園させませんか?」

 正直、こんな時に子どもと離れるの、嫌だなって思ったんです。

 でも、近所に遊び相手はいないし、どこにも行けず、同じことを繰り返す毎日に、
二番目もモヤモヤしていたんですよね。

「行きたい!」

 って。

 その代り、いつも乗っている幼稚園バスなど出ないし、お弁当と水筒持参。

 それでも、行きたかったんでしょうね。

 私は産後なので送り迎えが出来ず、全て主人や義父が送り迎えをしてくれました。

 そして意気揚々と幼稚園に行った二番目。
 
 帰ってくるなり

「幼稚園の水出なくてカナコ先生困ってるから、明日はペットボトル2本に水入れて持ってく」

 と、言うのです。

 ペットボトル2本?2リットルの?

 息子はヒョロヒョロしているので、本当に持っていけるのかと思いましたが、
次の日の朝も同じことを言い、結果、持っていきました。

・おにぎり弁当
・自分の飲み物
・2リットルのペットボトル2本

 息子は大好きな先生が困ってるのをみて、持っていかないと!と思ったようです。

 それをほぼ毎日持っていっていたおかげか、ぷにょぷにょしていた体が、
入学式を迎えるころにはガッチリした体形になっていました。

 そんなことをサラッと言う二番目も今年6年生になります。

 この時のことを話題にすると、そうだっけ?ってごまかしますが、
二番目は親の私から見かぎり、たいそうな男前に育ちました。
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