Dreamy×Crown

□編入生がやってきた
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雫side

はぁ〜。
いよいよ、やってきちゃった…。
天羽学院高等部。
2年G組。
上級生に上がるさえにクラス替えのない、この学院に偶然なんてものはない。
私は、ワザと、この学院の2年G組に編入する刃目になった。

*******

生徒A「おい! 誰だよ? あの子? 女⁉︎」
生徒B「見たことねーよな?」
生徒C「てか、可愛くない⁉︎ いや、キレイ? てか、ハーフ⁉︎ 外人⁉︎」

嗚呼、もう、騒がしい。
生徒A「編入生?」
生徒A•B•C「てか……G組⁉︎」

*******

宮地先生「えー、突然だが、編入生を紹介する」
雫(以下略)
「はじめまして。米花町から来ました。藤原雫です。特技は、ピアノです。ご覧の通り、母がイギリス人で父が日本人のハーフですが、国籍は日本です。分からないことも多いですが、どうぞよろしくお願いします」
生徒「おー‼︎」
生徒「外人だ!外人‼︎」
生徒「バカ、城戸。ちげーよ、ハーフだって!」
生徒「でも、可愛い!」
生徒「キレイだな」
なんか、ウワサには、聞いてたけど、元男子校だけあって、男ばかり。
その中で、2人。事前の情報通り、女子を見つけた。

宮地「あー、じゃ、席は小西の隣な」
「はい」
小西……。ああ、あの子ね、『小西紗和』
私は、実を言うと、大体のクラスのメンバーは頭に入っている。けど、ワケあって、『知らないフリをする』ことにするよう、ある人に言われている。

紗和「あ、はじめまして! 小西紗和です! えっと、紗和でいいよ。藤原さんは……」
「雫でいいわよ。紗和」
私が、笑顔でそう言うと、
紗和「うん、ヨロシク! 雫
ちゃん!」
と、笑顔で返してくれた。

やっぱり、あの人の言うとおり、この子は、情報通りの明るい子らしい。

そして、紗和の親友の晶や、紗和と仲の良い、城戸、田口、小川、椿に、この学院の理事長の一人息子の松雪藍。そして、彼もまた、編入して間もない俳優の杉下晴希。の、計8人と知り合いになった。

*******

放課後。誰もいない、校舎裏に移動する。なるべく、小声で喋る。

電話(スマホ)「学校は、無事、終わったかい?」
「ええ。でも、これになんの意味があるの? お父様」
父(電話)「少し、アイツを手伝ってあげてくれないか? ……その為に、偽名まで、お前に与えたんだから」
「……お兄様を? ……解ったわ。それで、お母様の容態は?」
父「……ああ、今の所は大丈夫。じゃ、上手くやりなさい。あと、もう、終わったのだったら、すぐに、迎えの手筈を整えさせよう。少し、校舎の中を探検してくるといい。着いたら、すぐに、連絡をさせるから」
そう言って、父からの電話は切れた。
(探検って……お兄様じゃないんだから……)
そう言いたい気持ちを抑え、思わず、クスッと笑ってしまった。とりあえず、屋上に行く事にした。

その時、まさか、その近くに人がいるとも知らずに。

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