みんな大好きお兄ちゃん

□金を奪う所
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自室での初めての朝を迎えた。

壁一面がガラス張りなので半端無く眩しかったから、もう少し厚みの有るカーテンを用意する事を決意しつつの起床。


予定よりも早く目が覚めたから朝食を作ってみたけど、何故か全部真っ黒になったので無かった事にする為、タッパーに詰め込んだ。

ユズに連絡してソレを渡すとフタを開けた瞬間から少し固まってしまったので、それも無かった事にしようとしたら急にユズがぎこちなく動き出す。

水分が無いから取り敢えず観賞用にするらしく、有り難いことに引き取ってくれるそうだ。

言ってみるものだな。


そうやって遊んでいたら、ジンが起きてきた。

さっき来ていたユズは、タッパーと共に帰った後だ。


「おはようジン」

「おはよう、早いな。
作戦会議でも有るのか?」


寝惚けた表情のジンは、壁に向かって喋っている。


「それも兼ねて早めにトモと食堂に行くんだ。
ジンも来るか?」

「いや、朝は水分以外を胃が受け付けない。
俺は登校もしないから好きな時に出掛けてくれ。もう少し寝る」


冷蔵庫のスポーツドリンクを一口飲み、ジンはまた自室へと戻って行った。

どうやらジンは学校に行っていないらしい。

そういえば、最初に会った時にそれっぽい事を言っていたな。
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