みんな大好きお兄ちゃん

□好き嫌い
1ページ/14ページ

「孝助、テリトリーはどうなった」

「あぁ、片付け終わったぞ」


ジンは意外にもノックをして、こちらに確認を取ってから部屋に入って来た。

すまん、そんな律儀な事はしないと思っていた。


「なら食料はどうする?
孝助が精製出来るなら俺が素材を集めて来るが」

「悪いけど、俺は料理が出来ない」


これが出来ないとおかんという属性にはなれない、とトモが一時期落胆していた。

あれからやたらと地元のチビ達と遊ばされたり、俺を中心に人を集めて治安維持の真似事をさせられたりもした。

お兄ちゃん属性を極めろ、と。


「なら、望む物を提供する代わりに金を奪う所か、空腹を満たす代わりに恐ろしい敵や亡者が出現したりして叫び声が常に絶えない所、どっちだ。
ちなみに、後者も金を奪う」

「購買か食堂、だな。
同じ編入生の友人も誘って良いなら一緒に食堂に行ってくれるか?」


トモの事だから誘わなくても来そうなんだけど。


「良いだろう。
だが、俺の敵には気を付けろよ」

「分かった」


ジンの言う敵っていうのがイマイチ分からないんだが、まぁそのうち分かるだろう。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ