短編(ジャンルごっちゃまぜ)
□こっちへおいで。
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『あ!!』
「あ??」
そいつは、また現れた。
「何してんだこんなとこで。」
『それは私のセリフだ!!こんなとこでまだウロウロと・・・。』
「お前。ここがどんな場所かわかるか。」
『ハァ!!?見えないのか??まったく呆れた。ほら、あそこ。』
その女は廃墟を指さす。
『あそこ。二階の右から二番目の部屋だ。女の幽霊・・・恋に破れて自殺したんだな。』
「そこまで分かるのか。」
『さっきから恋人の名前を呟いてる。聞こえない??卓郎、卓郎って・・・可哀想に、二股掛けられてたんだな。』
その時、本当に悲しそうな顔をしていた。
「無関係な人間に、なぜそんな顔ができる?」
『もとは人間。魂が還るべき場所に還れないなんて悲しい。』
「!!」
こんな人間もいるのか・・・
「お前。名前は??」
『私の名前??木内ユノ。どーかしたの??いきなり名前なんて聞いて・・・。』
肋角さんも納得する。
この人材なら・・・。