銀魂 攘夷

□隣の席の高杉くん
1ページ/7ページ

「じゃあ、あとのゴミは俺が集めておくからいいぞ」

「うん、ありがとう。それじゃあ、朝ごはんの支度してこようかな」

「高杉のとこはいいのか」

「晋助?」

「ヤクルト持っていってやるといい。その方が1日機嫌がいいんだ。だから毎日頼むぞ」



そう桂に促され、ゆきは差し入れを持って高杉が朝練をしているところへ向かう。



「晋助おはよ。今日は一段と早いのね。起きたの気がつかなかったよ」

「...ああ」



それから数分して、竹刀を下ろした。
倒木に腰掛けて頬杖をつき待っていたゆきの隣に腰掛ける。

ゆきがおつかれ、と労いながらヤクルトを手渡した。



「桂さんが持ってけって。そんなにヤクルト好きなのね」

「そこまで好きじゃねーよ」

「そうなの?ご機嫌になるって、ふふ」

「笑ってんじゃねーよ」

「さてさて、かんぱい」



カチ、とプラスチックの安い音が鳴る。
高杉は数口で飲み干し、はあと息を吐く。朝の涼しい風が額の汗を冷やした。



「ね、見て、これ」

「空き容器がどうした」

「フタのアルミを綺麗に剥けたの」

「んなのフツーだろ」

「それがね、油断するとちょこっと縁の部分が残ったりしてね。今日は全部取れたから、大吉」

「そりゃよかったな」



晋助は毎日大吉だよ、とゆきが笑う。

すると高杉は仏頂面をして、額の汗を袖で拭った。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ