銀魂 攘夷

□誰が人攫いだコノヤロー
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言われた通り服をタライに入れて風呂から出ると、ゆきは境内の隅っこでうつらうつら船を漕いでいた。
ヅラが近づき、声をかける。



「おーい、起きなさい、ゆき殿」

「疲れてんだろ、寝かしとけよ」

「しかしこのままでは湯冷めしてしまうぞ。しょうがない、布団を...」



相変わらず世話焼きなこって。ガキじゃねーんだから、起こして寝床へ歩かせりゃいいじゃねーか。



「おい、起きろー。就寝時間だぞー」

「ん、寝ちゃってた...ん?就寝時間か、それじゃあおやすみなさい...」

「いや確かにそうだけど!寝床に移動しろってことだよ」

「ああ!すみません」

「寝床といっても畳の上だがな。枕は座布団、布団は気持ち程度の布ってとこだ」



灯りを持ったヅラが説明をする。
奇妙だが、5人揃って寝床へついた。



「それじゃあ、消すぞ〜」



各々が寝転がったところで、灯りを消した。
ふっと部屋が真っ暗になる。



「修学旅行みたいじゃの。皆で風呂も入って」

「ふふ、ほんとだ」

「修学旅行ってなんだ」

「なんじゃ高杉知らんがか。修学旅行の夜の定番は、恋バナと、誰かが屁をこいたのが可笑しくてなかなか寝れんっちゅーところじゃな。なあゆき」

「女子はみんなの前でこきません」

「そうかーアハハ」

「お前らうるせーよ黙って寝ろ」

「はあい」



そうしてすぐ辰馬がいびきをかきはじめる。
さっきまでベラベラ喋っていたのに、もう寝付いたようだ。

しばらくすると、他の奴らの寝息も聞こえてきた。
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