銀魂 攘夷

□誰が貸すやら
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「...アジトだ」

「アジト?」



最近見つけた、俺たちが寝泊まりしているところ。そこへ着くなり高杉はゆきにそう言った。何も知らねー奴にアジトだなんだ言えば、中2病かと疑われるだろ、アホかこいつ。



「ああゆき殿、ここは俺たちが今寝泊まりしている場所だよ。今は静かだがもう少ししたら他の仲間もここへ来る。...元は寺でな。雨風も戦火も凌げるしなかなか便利だ。まあ虫は多いがな」

「...戦火、」

「え、お前知らねーの」

「知らなくはないですけど。...みんな戦争に」

「ああ。まあここ数ヶ月、でかいドンパチはねえよ」



安心させようとしたのか、そう高杉が答える。皆の腰に据えたものにゆきの目線が落ちる。そして”嵐の前の静けさ”とつぶやく。嫌なこと言うが、その考えはあながち間違いじゃないだろう。



「...それで、アジトっていうのね。...私、ここにお世話になっていいんでしょうか」



俺以外の3人は、返事をしたりうなづいたりして肯定の意を示した。銀時、とヅラに肘でつかれたので、まあいいんじゃねーの、としぶしぶ返事をする。



「じゃあ俺は蕎麦を茹でて来るぞ。銀時、ちゃんと案内してやれよ」

「何で俺が!つーか案内も何もだだっ広い部屋があるぐらいじゃねーか」

「あるじゃろうが、廁やら井戸やら。女じゃし風呂の場所もしりたかろう」

「ああ、それは、知りたいです本当に」



お願いします、と頭を下げられる。先に頼まれては断りづらく、アジトの案内をする羽目になった。
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