銀魂
□愛があるって
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「ゆきちゃんと、あの人が?」
「隊士の中で噂になってんぞ、知らねェのか?山崎お前監察だろ、特にゆきちゃんの」
「やめてくんないストーカーみたいに言うの。つーか原田、オレそんな噂話承知しねーよ」
「そうだ、愛のハンターと呼べ」
「局長いつからいたんですか」
「いやあ。俺もその話を聞いてよ、ちょっと気になったんでな。機嫌悪くなる奴がいるだろ、総悟とか」
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「おつかれさまでした、お夕飯どうぞ。…私いつも朝昼も、最後に来た方と食べてるんですけど、夕飯、ご一緒してもいいですか?」
“ちょっと局長、ゆきちゃんまたこんな時間まで働いてますよブラックすぎやしませんか”
“とっつぁんに人手増やすよう頼んでるんだがなー、応募してくるのおばちゃんばっかだから落としちゃうんだよ面接で。…っていうかアイツなのか?!噂の相手って意外すぎるんですけど”
「(いい)Zッ」
✳︎✳︎✳︎
“オイ、山崎、あの2人何喋ってんだ?”
“いやあそれがさっきから、ゆきちゃんが話しかけるだけですね。でも気になるのがー…”
「終さん、おかわりいかがですか?」
「終さん、いっぱい食べるんですね」
「終さん、食後のお茶飲みますか?」
“って下の名前で呼んでるんですよ”
“確かにゆきちゃんが下の名前で呼ぶの、ウチの中じゃあ終だけだよなあ。それで噂になってたってわけか”
“俺も下の名前で呼ばれてぇよチクショー”
“しまる、さがると似てるから頼めばいけるんじゃねぇか”
「ずず…はあ、お茶ってホッとしますね」
「Zッ….」
「ふふふ、終さんってお茶飲む音もZなのね」
“オイなんで判るんだZだって”
「(ご馳走様でした 美味かった)Z」
「ご馳走様でした…実は私ね、Zっと、終さんとご飯食べたかったんです」
“Zうつってるじゃねーか”
「?!」
「またご一緒してもいいですか」
“オイ!ザキ!早まるな!”
“そこはZキでしょうが!つーかこれが黙って見てられるかァア”
“分かる!わかるぞその気持ちは!でも剣をしまえ退ゥウ”
“アンタに下の名前で呼ばれたからって嬉しかないんですよ!!!”
「いつも口元隠してるからお顔が気になってて。それにいつも厨房に背を向けた席に座るでしょ、ごはんの時は外すのかなあって。蓮ちゃんも気にしてたから、みんなで….」
「くわっ」
「…また、いつ、か、いつの日か…あの、」
“離してください局長、放せゴリラァア”
“アレ、ゆきちゃんがフリーズしたZ”
「(じゃあ、またね)くわっ」
「は、はひ….」
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「へー、で、噂は本当だったのか」
「認めなくないけどな。局長が止めてくれなかったら俺今頃、」
「返り討ちにあってまた入院生活だな」
「ひでーよ原田ァ」
「あ、噂をすればゆきちゃん」
「ああ!山崎さん!原田さん!ねえどうしよう、終さんのこと怒らせちゃったかも。すっごく怖い顔して笑うのよ」
「嘘だろ、昨日すっげー楽しそうだったじゃんか」
「えぇ、何で山崎さんも怒ってるの」
「大丈夫、妬いてるだけさ。髪ふわふわ〜とか一緒に食べたかったとか言われたいって。あと下の名前で呼ばれたいって」
「なんで知ってるの」
「あ、いやあ、その」
「コソコソ覗いたらしーぞ」
「ちょっ、言うなよハゲェェ」
「…退さんのエッチ」
「ふがッ」
「よかったじゃねーか退…おい!鼻血!だれかティッシュじゃない救急車ァア」
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「(万事屋さんなら何か教えてくれると思って来ました)」
「相談ってアレか?雨の湿気で髪の毛がとんでもねーことになるから聞きにきたのか?ビダルハフーン派には教えることはねえよ俺はツバキキ派だ」
「違うみたいですよ、銀さん。なになに…気になる子と喋る方法?ですか。へぇー、斉藤さん、恋したんですね」
「まずZ以外も喋れよ」
「(だけど照れてしまってどうしようもなくて…)」
「シャイボーイも大概にしろ。つーかその、気になる女ってまさかゆきじゃねーだろーな。お前に出会いなんて屯所以外ねえだろ」
「Zッ….!」
「銀ちゃん、これZ星アルよ」
「(とっとにかく笑顔で目を合わせるところからはじめたんですが)」
「へぇ、どんな感じ」
「(くわっ)」
「あ、オッケーオッケー。そのままの笑顔で素敵ですよお客さん」
✳︎おしまい✳︎