銀魂

□そう簡単には変わらない
1ページ/3ページ

退院の日。
病院には、10時頃同期の原田が迎えに来た。

隊服も届けてくれて、久しぶりにそれに袖を通す。完全に寝不足だったが、パリッとしたシャツに気持ちが引き締まった。

それからパトカーで屯所へと向かう。
出会い頭に皆がお帰り、元気になったかと声をかけてくれて、なんだか嬉しくなった。

退院の報告と謝罪とをするため、局長室と副長室それぞれに訪ねた。

局長は身体が鈍っているから鍛錬をよくするようにと言われた。

副長からは早速仕事の話だった。少ししたらまた潜入捜査があるらしい。短期間ではあるが気を引き締めていけ、と。普段なら鬼だというところだが、今回ばかりは挽回のチャンスを貰ったように感じた。

それと荷物の整頓を終えた頃、昼時を迎えた。
屯所の空気がほわっと緩み、ガヤガヤと声が一方向に集まっていくのが分かる。

入院中ひと月分の出来事を資料で確認したかったが、それは後にした。10分そこらでできるもんじゃない。


久しぶりの食堂に少し緊張する。
おばちゃんに定食を注文する。

厨房を覗くと蓮ちゃんともう1人のおばちゃん。
そこに彼女の姿はなく、少し残念に思う。
非番だったのだろうか。

退院おめでとうといいながら、蓮ちゃんが定食を手渡してくれた。

席につき、手を合わせ用とした時、


「ご一緒していいですか」


ずっと聞きたかった声がした。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ