銀魂

□ブラックはほどほどに
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「おうババァ、きたぞー」

「やっと来たかい、銀時。18時半には頼んでただろ。たまが体調不良というかメンテナンスで人手不足だって言ったじゃないか」

「オイ腐レ天パ。何処カラ連レテキタンダソノ小娘!人身売買デモシタンダロ、魂モ腐ッタカ!ハハハ」

「お客の前で口が悪いよ、腐れ猫耳団地妻は黙ってな。可愛らしい娘じゃないかい。ほんと、どっから連れて来たんだい?」

「オ登勢サンモ人ノコト言エナイデスヨ」

「お前ら何べんも会ってんだろ、な、ゆき」

「「ゆき?!」」

「つーか銀さん人手不足ってどういうこと」

「いやー、それは話せば長くなるんだ」

「どういうこと」

「すいまっせんんんん!」



髪を結って、紅を引いて。
旧友に貰った大輪の牡丹の着物。艶のある生成り色の帯に黒紅色の細身の帯締め。

自分が持っているいちばん華やかな着物を、と注文を付けられて着替えてみれば。



「いらっしゃいませ。おしぼりどうぞ」



...スナックお登勢のお手伝い。たまさんが3日間メンテナンスで人手不足なのを、誰か知り合いから探してくるという約束をしていたのだそうだ。

もちろんお給金はきちんと頂けるし、変なお店ではないのはたしかだから、お手伝いをするのは吝かではない。

それならそうだ、とちゃんと言って欲しかったのに。

何故かずっと店のカウンター席にいる元凶を睨む。が、熱燗をちびりとやっていて気がつかない。

お客さんから焼酎の注文を受ける。ついでに、今日の小鉢をお勧めしておいた。烏賊と里芋の煮物。味の濃い焼酎と合いそうだ。



「こんな可愛い姉ちゃんに勧められちゃあ断れねぇよ、1つ頼まァ」

「へへ、ありがとうございます」



慣れない言葉とおめかしに、急に照れ臭くてぽっと頬が熱くなった。

あわててカウンターにお冷やを取りにもどる。
せめても、と指先から熱を逃がした。
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