ナルト

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「あれ、何か貼り紙してないか」



部下3人に連れられて、ほろりへ来たはいいが…
どれどれ、とナルトが店の前まで駆けていく。
そしてこちらに向いて“休みだってばよー”と叫んだ。

珍しいな、定休日以外に休みなんて。

店の前まで来ると木枯らしがヒュウと吹いて、貼り紙と身体を震わせた。



「しばらく、って何かあったのかしら」

「ねーちゃん、体調崩してないといいな」

「家の方に居るんじゃないかな」

「ピンポン押してみっか」



ちょちょちょ、ちょっと待った!

外階段を上がろうとするナルトの脚を慌てて掴む。



「うわっ、とと、あっぶないだろ隊長!この木の根が、解いてくれってばよ」

「いや、すまない。ちょっとなんていうか心の準備が…」

「あっサイ待ちなさい」



ピンポーン



「いないみたいだ」

「なーんだ、いないんじゃん。ってぷぷ、サクラちゃんサイ待ちなサイってぷくく」

「何よ、くっだらない」



留守の店や自宅の前で騒ぐのも不審だ。3人に声をかける。今日の腹ごなしはほかの店にしよう。



「いーのか?隊長」

「ああ」

「いいも何も、居ないんだから。そもそもナルトが口滑らしちゃうからいけないんでしょ」

「お!俺はギリギリのところで止まったってばよ!それに悪いのはアスマ先生だしぃ…」

「ま、それもそーね!大丈夫よ、ヤマト隊長!きっとゆきさん、事情があったのよ」

「そーそ!きっとさ、“ふふ、ちょっとからかわれたの”とか言ってさ」

「人を揶揄うときは腰に手を回して…」

「ちょっとサイ!それメモとるのはやめな…よ」

「ぷくくサクラちゃんってば」



ナルトがゲラゲラと笑い始めて、サクラがゲンコツを準備する。サイは今度は別のことをメモに取り始めた。賑やかというかやかましいというか。落ち込んでる暇もないな。



「はは、皆ありがとう。」



どしたの急に、と皆が目を丸くする。

賑やかで不器用な心遣いは、木枯らしを何処かへ蹴散らした。



さて、次の大仕事も張り切っていきますか!



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