ナルト
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「それじゃあ、明日は10時だな!」
「明後日9時半よ、何も合ってない」
「あれ、おっかしーなァ」
結局ねーちゃんのところでの昼飯は諦めて、焼肉を食べた。
店を出ながら、おかしいのはアンタでしょとサクラちゃんに小突かれる。食べてるあいだ、ずっと難しい顔をしてたって。
「何かあったの?」
「何って、みんなアレ見てなんともねぇのかよ?あのさ、ゆきねーちゃんとヤマト隊長は上手くいってたと思うんだけどさ」
「確かに2人は相思相愛になってきたってとこよねー」
「そーだったの?ボクそれも気づかなかったよ。それよりさあデザート食べに行かない?」
「ったく、チョウジは黙ってなさいよ。焼肉あれだけ食べといてまだ食べるの?」
「いいじゃない、いの。デザートは別腹でしょ」
秋はお芋だよねー!って女子たちとチョウジがデザートを何にするかキャアキャアと盛り上がる。
「じゃあなんであんなことになってたんだ?な、シカマル」
「...よく分かんねーけどよ、大人の恋愛にガキが口出すもんじゃねぇだろ。めんどくせーことになるだろ」
「まあそうだけどさぁ...」
そーいえば前の秋には皆んなで月見団子食べたっけなぁ...
「…ト!ナルト!何にするの?みんな注文しちゃったわよ」
「あー…俺はさつまいもの餡の団子にしよーっと」
店に着き、それぞれ好きなのを食べ始める。
黄色い声は、今度は恋バナになったみたいだ。
「スイーツか恋バナかどっちかにしろってばよ」
「女子はおんなじくらいどっちも好きなのよ!それにしてもナルトってば鈍いわよねー。アレはねえ、彼がついに本気と本音を出したってことよ」
「いのもそう思う?お兄さん役だなんて言われてたけどほんとは...キャー!ドラマみたい」
「おいおい、お前ら静かにしろって」
背後から聞き慣れた声。振り向くとアスマ先生と紅先生の呆れた顔で立っていた。
「そんなに騒いで、何かあったの?」
「それがさ、ゆきねーちゃんの事なんだけどよ、ねーちゃんはヤマト隊長と両想いだったはずなのに今日はゲン...ッ」
「コツぅ!」
「いっ...!」
ゴン!とサクラちゃんのゲンコツをくらう。
「ゲン...コツでもされてたのか?」
「あ!あはは!そういう感じです」
「ゆきさんが?意外ね...」
広めるんじゃないの!と小声で叱られた。
だって大人の恋愛は大人に相談する方がいいと思ってさあ…
「先生達はデートすか」
「おっ、俺らは別に...あのなあシカマル、大人をからかうんじゃないぞ」
「ほらな、ナルト。あと夫婦喧嘩は犬も食わねえって…まあアレは喧嘩じゃねーけど」
「俺、犬じゃねーしぃ」
どっちかっていうと、
俺はキューピッドなんだってばよ。