ナルト
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「なあなあ!トランプしよ!トランプ」
隊長もねーちゃんもそれぞれ風呂を済ませて、3人で話していた。そしたらだんだん、夜更かしのあのウズウズした気分になってきたのだ。
隊長は、えー、なんていってる。
んだよ、ノリ悪いってばよ。
ねーちゃんトランプとかもってっかな、そう思って見やれば、いつものようにふふ、と笑って手に持った小さい箱をシャカ、と鳴らした。
「私もね、なんだかお泊まり会の気分だったの」
「い、いいんですか、ゆきさん。もう、22時近いし」
「じゃあ、30分だけ。それにお店はいつも空いてる時間ですよ」
「さすがねーちゃん話がわかるぅ」
それからトランプ大会は始まった。
ババ抜き、神経衰弱。同期のやつ、特にチョウジやキバと違って、この2人はやたらと強い。
「2人とも大人気ないってばよ!俺全然勝てねーし!シカマルもいつも強いけどさぁ」
「ふふ、だってナルトくん顔に出るんだもの」
「そうだよ、忍びたるものこうやって...」
「だからその怖い顔やめろってば!せめてねーちゃんみたいにずっとニコニコしてるとか」
30分じゃ物足りず、ダウト、大富豪と続いて、結局トランプ大会は1時間続いた。
「クイーン」
「キング」
「え、ヤマトさんホント?」
「え、いやあ、ははは...」
「「ダウト」」
「ず、ずるいでしょ!そーやってさあ...」
ダウトはねーちゃんが強かった。というより、ヤマト隊長が弱すぎだった。
大富豪は俺の引きの良さで3連勝、これは勝ち逃げするしかないってことで、
「あー!楽しかった!そろそろ終わろっか」
「ああ!ナルトさては勝ち逃げするつもりだな」
「そうだよー。2を4枚にジョーカー持ってるなんて、トランプよく混ぜてもっかい、」
「もー閉店の時間だってばよ!」
それを言われちゃ仕方がないと、大人気ない2人は渋々トランプをしまう。
それからねーちゃんは湯呑みを3つ持って来た。
「外は寒いから、温かいお茶のんでってね」
「ありがとうございます」
「いただきまーす」
お茶を啜る隊長に耳打ちする。
“デートさそうなら今だってばよ”
「なっ、ゴホ、な、何言って」
「ん?どうしたの?」
「俺ちょっとお腹痛くなったからトイレ借りるってばよ」
「どうぞ、突き当たりを右に」
トイレに入って耳を澄ませたら、大丈夫かなあ、と心配の声。
少ししてから、たどたどしい隊長の声も聞こえて来て、思わず笑いが溢れそうになる。
「くく、これはサクラちゃんに報告だな」
デートは来週だってさ!