ナルト

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仕事終わりの帰り道、暖簾のかからない店がほんのりと灯っていた。

淡い出汁の匂いがやってきて腹の虫が悲鳴を上げる。

試作でもしているのか、夕飯でも食べているのか。

すると数人の笑い声。定休日に客だとしたら。
思い浮かぶのはヤンチャな顔か少しばかり辛気臭いあの顔。

千本がカリ、と鳴る。

戸の方へ手を伸ばせば、冷たい風が通りを抜けた。思わずその手をズボンのポケットへ突っ込む。



「...は、それは大人げねぇってか」



夜風にピシャリと叱られた気分で、肩をすくめて帰路につく。


たまには一人鍋もオツだよな。



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