ナルト

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(ちょっと、綱手様、聞き耳を立てるのは...)

(黙ってろ!今いいとこだ)

(えっ)



あれから鬼のように働いて、やっとのこと、昼間噂していた小料理屋に足を運んだ私達が見たものは...店の前冷たくも掛けられた"定休日"の看板。

だけども、店の中からは照明の温かい光と野菜を蒸かしたような淡い匂いが漂ってきていた。

誰か来てるのか!もしや、ゲンマじゃないのか?と綱手様がコッソリ覗いたのが事の始まり。



気配を消して中を覗くと、いつも気だるそうな目にニヒルな笑みを含んだ、冷静なゲンマ。が、ころころと表情を変えている。

口寄せ、木登り、水面を歩く、花を咲かす...?

忍術の話かしら。ここの店主は一般の方なはずよ...



(シズネ、今の聞いたか...?)

(はい、口寄せ、と。もしやここの店主は)

(違う!もっと面白いことだよ、あのゲンマが、心配なんだ、なんて言ってるぞ、ふふふ)



にんまりと悪い顔をする綱手様。今のあなたは火影かどうか疑わしいですよ。

そう思いつつも、内心、少しかなりすごく気になる。引き続き、一緒に中の様子を伺う。これは覗きじゃなくって、そう!調査なのよ!

店主の顔が真っ赤になる。若くて可愛らしい子で、もしかして、ゲンマさんはこんな若い子を口説いて...!



"お前は俺の側にいろ。"


あひィ!か、彼があんなことを...!



(もう見てられない!こっちが恥ずかしい!見てられない!帰りましょう、綱手様っ....)


事の発端、綱手様の方を見ると、口に右手を当てて真っ赤な顔をしている。あら、綱手様も女性らしく照れて...



(ふ、んふふふふふふ....!)



なかったんですね...。いいもの見ちゃった、と言わんばかりに、目を三日月のようににんまりと曲げて、左手で地面をバンバン叩いている。

こう、心臓あたりがくすぐったいのはよく分かりますけどね、見つかっちゃうじゃないですか!



(行きましょう!綱手様ぁ!)


(あぁ!そうだな、これをツマミに酒酒屋で飲むとするか。行くぞ!シズネ!)



覗き、調査も終えて他を当たろうと振り向いた瞬間...


"カカシ先生ぇー!こっちこっち!"

"おーいもっとゆっくり行ってくれぇ、俺チャクラぎりぎりなんだよ"



う、まさか、



「あっれー!綱手のばーちゃんとシズネのねーちゃん!何してるんだってばよ?!」

「おいおい、今日定休日じゃないの、ナルト...あ、何してるんですか、五代目、と、シズネ」



ガラッ



「なんか気配がすると思ったらあなたら...」

「今度はどしたの、ゲンマー?」





あーひーーーィー!!!

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