銀魂

□仲直りの絆創膏
4ページ/5ページ

お昼どき。賑わう食堂で、ご飯を盛って定食を配る。

受け取り口の列に土方さんが並んだ。蓮ちゃんは冷蔵庫へ向かう。

さて、蓮ちゃんと交代かな。きっと、オフィスラブのドキドキはこういう時にあって

冷蔵庫から出したマヨネーズに、”今夜7時”とか書いて…



「ゆきちゃん、これお願いね」



…るわけないか。
彼女はトン、とマヨネーズをお盆において、自分の仕事へ戻っていった。



「蓮ちゃ「ゆき」

「は、はいっ」

「顔色、良さそうだな」

「ご心配ありがとうございます。あ、そうだ土方さん、朝に連絡をしたのって寝ぼけた私からでしたか」

「あ?何言ってんだ、それなら何百倍もマシだ」

「そうでしたか、やっぱり銀時…いやあの銀さんが、あはは」

「…フレックス申請の書類忘れんなよ」

「はい、退勤前に提出します」



そうして土方さんは行ってしまった。

ところで、すっかり忘れていた、昨晩の銀時の顔。あのやわらかい感触。

思い出すと同時に、ブワッと汗をかく感覚。
かき消そうとテキパキとご飯を盛る。



「あれゆきちゃんどーしたの顔が真っ赤じゃないか。熱まだ下がってないんじゃ」

「近藤さん!だっ、大丈夫、ありがとうございます!元気です、ほら!モリモリ!」

「いやそれご飯がモリモリじゃねーか、富士山じゃねーか」

「飛騨山脈盛りもできますよ」

「俺ァ箱根山くらいがいいな」



結局、近藤さんにはごく普通盛りのご飯を手渡した。

そうしたくもないのに、昨晩のことが蘇ってくる。かき消そうと、色んなことを考えながらご飯をよそった。

ターミナル、飛騨山脈、京の五重塔、マチュピチュ…



「ゆきさんどーしちまったんでィ。さっき原田の奴ホグワーツ城みたいな飯食ってて」

「え?!ああ!いつの間に、どうしちゃったの私」

「ところで俺はピサの斜塔がいーんですが」

「ラジャ」

「崩れたらお仕置きな」

「そこでもドSなの?」



沖田さんが携帯で画像を見せてくれる。
なんだ、思いのほか傾いていないのね。

さっさとよそってくれと他の隊士たちからブーイング。コメの斜塔が崩れなかったことがご不満で、沖田さんはしぶしぶテーブルへと向かった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ