銀魂

□仲直りの絆創膏
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とはいえ、拭き掃除はなかなかにしんどかった。

汚れを落とした雑巾を絞る。ついでに自分の身体も絞るように捻ってストレッチ。
身体がミシミシという。

よし、次は草抜きしよう。

春になって花も雑草も、一斉に伸びてきた。人間様の都合でごめんなさい、とひとつひとつ抜いていく。


「あだっ」



ゴツン、と頭に何かが当たった。


「いて、何だ?アレ、ゆきちゃん」

「山崎さん…っあはは、まさか頭と頭ごっつんしちゃったの?」

「マジで?アリさんじゃあるまいし」



2人とも片手で頭を押さえて、もう一方の手で雑草を掴んでいる。ぶつかったことを謝ったものの、なんと滑稽な。笑いが止まんない。



「もーいつまで笑ってんだよ。頭痛すぎておかしくなっちゃったか」

「大丈夫。昨日、頭痛薬飲んでるから」

「それ外傷にも効くの?ところでさあ、ゆきちゃん。休みなのに働いてんの」

「フレックスにしてもらったんです。そっか。山崎さん、助っ人をありがとうございました」

「どういたしまして」



ま、テキトーに草抜いてただけなんだけどね。
蓮ちゃん、ご飯の支度手伝わさせてくれないしさ。
そう言って山崎さんはまた草を抜き始める。

監察の仕事は大丈夫なのかな。
そう思った途端、顔を上げて笑った。



「心配ご無用だよ、20分位したら戻るから」

「あは、さすが監察」



単純作業はおしゃべりしながらが丁度いい。
リズム良く草を抜く。時折、会話が途切れるのは、タンポポの長ーい根っこと格闘していたり。



「そうだ、副長の機嫌がすこぶる悪いんだよ」



聞けば、朝のスケジュールはコンマ1秒単位で守れ、遅れた奴は切腹。

素振りはいつもの10倍、できなきゃ切腹。

朝食が出来てない、山崎切腹!



「って俺関係ないだろ?ひっでーんだよ。何か知らない?っていうか確実にゆきちゃんの年休が関係してるよね?いつもと違うのそこぐらいだもんね?」

「いやぁ、なんとも…朝ごはん間に合わなかったのね、悪いことしちゃいました、ほんとに…」

「まあ午後からの機嫌は大丈夫そうだよ。ゆきちゃんがいるなら昼ごはんも安泰だし」



あの人はマヨネーズだけでもいいけどな。
そう言って手の土をはたきながら立ち上がる。




「それじゃあ俺、自分の仕事に戻るよ」

「ありがとうございました」



無理はしないこと、と笑って山崎さんは自室へ向かっていった。
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