銀魂
□頭痛にバファリン
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ウチの冷蔵庫には、お花見のあまりでもらったビールや酎ハイがたくさん。
宅飲みの途中ぶらぶらと買い出しに行くのもなかなかオツだもんね。買い足しはせず、退勤後は真っ直ぐ自宅へと向かった。
「ふあ〜きんもちいい〜」
部屋を軽く掃除して、シャワーで汗を流す。
んん、気分爽快。
おつまみには、ホットプレートを出して、適当に焼肉にしよう。野菜は切って蒸しておこう。
そうこうしていると、外からおーいと声がした。いやだあ、インターホン鳴らして。
「銀さん、いらっしゃい。アレ、原付乗ってきたの」
「おう、乗れよ」
「もう、私の職場どこだか知ってます?もしかして予約とかしてる?」
「俺がんなことするように見える?」
「見えない。ねえ、作っちゃったの。ごはん」
そう言うと、家上がっていいのかと、ヘルメットを外しながら聞いてきた。
たしかに今まで、なんだかんだと家に上げたことなかったなあ。
「はっ、もしかしてここまで来といて今日はダメな日なのっていうアレか」
「ちょっと。恥ずかしいからやめて、そんなつもりもあんなつもりもないの」
銀さんは頭をガシガシと掻いたあと、メシが無駄になるしな、とバイクを降りた。
だけどなかなか階段を上がってこない。
「どうしたの」
「これが大人の階段ってやつかと思うと緊張して」
「明日からはヤングジャンプ読まなきゃだもんねー」
「やべー階段だな」
今度は戸の前でとまる。
「さ、さっきのは冗談だよ、ジャンプでも...」
「俺は狼じゃない、ふわふわの可愛い子羊...」
「大人の階段のぼりきれなかったの。やっぱりどこかお店で...」
「いや、お邪魔します」
靴も揃えて、座卓に正座。
もっと入るぞ〜、けーるぞ〜って調子だと思ってた。
思わずくすくすと笑えば、酒、と急かされる。
あまおういちごの酎ハイと、ビールで乾杯をした。