銀魂
□胃痛にキャベジン
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「なんだあ、沖田さんか」
「そ。これ食う?タラタラしてんじゃねーよ」
「わ、これ大好き。ありがとう、いただきます。いいなあ、沖田さんサボれて」
「んじゃ一緒にさぼりやしょう」
「もう退勤時間なんですぅー。…ねえ沖田さん。隊服のシャツ、まだ替えはありますか」
「たぶん、あと2.3枚はあるんじゃねーかな。」
「そっかー」
「?」
いっこ仕事サボっちゃうの。
しょっぱいのを噛みながら言えば、沖田さんは目を丸くさせる。可愛い目だなあ。
「よし、これだけやって帰ろっと」
洗濯物を竿から下ろそうとすると、取り込むのか?って、沖田さんが手を伸ばす。
「今日、蓮サン休みだったな」
「うん」
「あーそうだ土方さんは朝帰りでした」
「ちょっ、白々しい」
「あんな相方でお気の毒でさァ」
会話の内容は置いといて、図書室で高いところの本を取るイケメンのように、何事もなく洗濯物をおろしてくれた。
「...どこまで運ぶんですかィ、コレ」
「リネン室まで。そんなことより書類って言いたいけど、ありがとうございます、助か...」
「俺手伝うとかいってやせんけど」
「ひゃぁあホントだ...あつかましい恥ずかしい!」
顔にボッと熱が集まる。沖田さんはニヤニヤ笑ってるし。しょーがねーから運んでやる、だって。
「もー...ありがとうございます。今日なんだか優しさが身に染みるの、だから嬉しい。お言葉に甘えちゃいます」
「んじゃそのノリで俺と朝帰りなんてどーですか」
「先約があるの」
「「マジでか」」
朝帰りする予定はないけど...って、沖田さんともうひとつの声に振り返れば、いま1番会いたくない人がいた。