銀魂
□ウコンで乾杯
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いつのまにか宴会は終わり、どうやったのだか後片付けを済ませ、あっという間に朝が来ていた。
「おはようございまーす」
食堂に来た隊士たちへ笑顔を向ける。
昨晩はお酒は飲まなかったというか、少しも喉を通らなかった。お陰様で体調万全、張り切りやけくそで朝ごはんが出来ちゃった。
今朝の定食は卵粥としじみの味噌汁。あとお漬物数種類。いつもより品数少ないけれど、文句言う人なんて1人もいない。
「しじみの味噌汁、ありがてェ...」
「俺、お粥だけでもいい?」
「いいですよ、良くなったらしっかり食べてね」
「ゆきちゃんが天使に見えるわ」
「俺は母ちゃんに見える...お粥なんて何年振りだよ」
母ちゃんかあ。所帯染みているのは前々からだけどさ。
笑顔で癒しを運ぶ天使役は...ってアレ、蓮ちゃん出勤してないや。気がつかずに全部やっちゃった。
作業台の隅に置いておいたキャベジンに、小さくため息が出た。
「ゆきちゃんおはよう...元気だなあ、酒案外強いんだな、あー頭いてぇ」
「近藤さん。昨日は飲まなかったんです、今日が朝番だったのもあって。あ、お薬どうぞ」
「え今日の朝飯キャベジン?」
「もう、キャベジンでいいならそうしましたよ」
あ、そうすればいいのか。
近藤さんに定食を手渡すと、これゃ沁みるなぁと涙ぐまれた。相当二日酔いが辛いんですね...
「だよなァ、ハハ、それにしても準備がいいな」
「それね、蓮ちゃんに用意してたんです」
「ああそうだトシから連絡があったんだ。蓮ちゃん今日休み取るってよ。大変だったよな、今日1人で準備したんだろ。ありがとな」
「っ近藤さんん...!」
いけない、うっかり涙が溢れそう。
慌てて笑顔を作って、ひとつ冗談を放つと、近藤さんは名案だと笑ってくれた。
次回の乾杯はウコンの力でお願いしますね、って。