銀魂 攘夷
□隣の席の高杉くん
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「じゃあ、あとのゴミは俺が集めておくからいいぞ」
「うん、ありがとう。それじゃあ、朝ごはんの支度してこようかな」
「高杉のとこはいいのか」
「晋助?」
「ヤクルト持っていってやるといい。その方が1日機嫌がいいんだ。だから毎日頼むぞ」
そう桂に促され、ゆきは差し入れを持って高杉が朝練をしているところへ向かう。
「晋助おはよ。今日は一段と早いのね。起きたの気がつかなかったよ」
「...ああ」
それから数分して、竹刀を下ろした。
倒木に腰掛けて頬杖をつき待っていたゆきの隣に腰掛ける。
ゆきがおつかれ、と労いながらヤクルトを手渡した。
「桂さんが持ってけって。そんなにヤクルト好きなのね」
「そこまで好きじゃねーよ」
「そうなの?ご機嫌になるって、ふふ」
「笑ってんじゃねーよ」
「さてさて、かんぱい」
カチ、とプラスチックの安い音が鳴る。
高杉は数口で飲み干し、はあと息を吐く。朝の涼しい風が額の汗を冷やした。
「ね、見て、これ」
「空き容器がどうした」
「フタのアルミを綺麗に剥けたの」
「んなのフツーだろ」
「それがね、油断するとちょこっと縁の部分が残ったりしてね。今日は全部取れたから、大吉」
「そりゃよかったな」
晋助は毎日大吉だよ、とゆきが笑う。
すると高杉は仏頂面をして、額の汗を袖で拭った。