銀魂 攘夷
□あの子の隣
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寺子屋天国じゃねーんだから。運命の仏様よ〜っつって。
おやつの桜餅を振る舞い、その後はいつも通り熱心に掃除をし、食事をつくる。美味いといえば、嬉しいとにこにこと笑う。
ムサい男衆の心を掴むのは、半日あれば充分だったようだ。
それからは食事、空き時間、就寝とゆきの隣席を得ようと静かに駆け引きが繰り広げられている。
...も、成功者はなかなかいない。
一番の原因は、至極面白くなさそうにしているアイツ。
“重そうだね、手伝...あ、高杉さん”
“あ!晋助、え、持ってくれるの。ありがと”
何を言うでもなく、ぶすっとして近づけば、蜘蛛の子を散らすように男衆がはなれる。
数日経つ頃には、ゆきの隣席は高杉くんに決まったのだった。