銀魂

□そう簡単には変わらない
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「も、もちろん!」


ゆきちゃんだった。

彼女は親子丼を机に置き、俺の目の前に腰掛けるといつもと変わらない表情で話を始めた。


「山崎さん、退院おめでとうございます。お見舞いに行かなくてごめんなさい」

「ありがとう。それは大丈夫。元気そうでよかったよ。まあ、食べようか」


もぐもぐ親子丼を頬張るゆきちゃん。
我ながらおいし〜、と頬を膨らませてニコニコ食べている様子に俺も釣られて笑ってしまう。

実のところ、気まずくなるんじゃないかと心配していた。だから前と変わらない様子に安堵した。

この様子だとお見舞いに来なかった理由は、きっと副長や隊長が引き留めたといったとこだろう。

食べ終わった頃、ゆきちゃんが口を開き、またごめんなさい、と言う。


「お見舞いにいけなかったのは、いろいろあって。とにかく、あの日のことは全然気にしてないよ」


ぜ、全然かあ...
ゴーンとタライが落ちてきたようだ。
そして彼女は話を続ける。


「なんでかって言うとね、あとから沖田さんに聞いたんです、麻酔が効きすぎてたんだろうって。

それと、たまさんとのこと」

「なんだって」

「もー、教えてくれたら良かったのに」


悪戯ぽく笑うゆきちゃん。
それと同時に、あの血走った嫌なデスウィンクを思い出し、眩暈がしてくる。

さらに彼女は俺にボディーブローを打ち込む。


「たまさん、昨日お見舞いにきたんだって、良かったですね。これは銀さんに聞いたの。”ジミーくん元気出るようにたまに見舞いに行かせた”って。私も応援してますね!」


ファイト!と両手をグーに握るゆきちゃん。先日の蓮ちゃんと似た仕草で、早速俺に向けてしてくれた可愛い姿。

可愛いんだけど、


『全然嬉しくねーよ!!
ドSコンビの馬鹿野郎!』
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