銀魂
□捜査のお供は
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「ゆきちゃん、手伝うよ」
スーパーの買い出しの帰りのこと。両手に抱えた買い物袋をひょいと奪ったのは山崎さんだった。お礼を述べるとはにかんで謙遜する彼。
「大したことないよ。つーか今日のいつもよりすごいね、よくここまで持って帰ったなあ」
「今日はなんていうか...調味料が多くて」
マヨネーズとかマヨネーズとかマヨネーズとか。
「だから山崎さんもさすがに全部持つのはしんどいでしょ、半分こ、ね」
というか、自分の仕事を全部任せるなんて申し訳ない。
私と彼に1袋ずつ、その間に一袋を挟んで2人で持つことにした。
「わー、これさ、街中でたまにカップルがやってる奴だよな。コンビニ帰りとかでさ、イチャイチャしちゃってさ。小さい袋で、握力なんぼなんだっつーの」
「山崎さん...羨ましいんですね」
「いや、そんな羨ましいとかじゃ」
「私たちも側から見たらカップルに見えますかね。なんちゃって〜」
「...見えてたらいんだけどね。こんな大量の荷物じゃ、花見の買い出しじゃんけん負けて行った人たちってところだなあ」
「あはは、ホントだ。山崎さんよく沖田さんにパシられてるし、私は食器下げじゃんけん弱いし、ぴったりかも」
「ぜんぜん嬉しくねーよー」
そうこう話しているうち、あっという間に屯所について、台所裏手にある食材庫への整頓も始まっていた。山崎さんには何度か女中の手伝いにまわってもらっているから、なんだか息がぴったりだ。
ええと、鰹節はここ、マヨネーズはここ、ソースはここ、マヨネーズはここ、ああっとケチャップは開封して冷蔵庫で、
「マヨネーズは...またお前かー!」
「もうさ、工場直輸入しちゃえばいいのにね。まテロられるとまずいから無理だけど」
「既にウチの食料庫はマヨネーズにテロられてますよ...」
2人でげんなりと棚を眺めた。