銀魂
□残業手当て
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「どこのお店行きますか?」
「そこら辺適当に入ろうぜ。カクテルがあるかは知らんがな」
300mくらい歩いても、土方さんも沖田さんもついてこないから、結局引き返して2人の喧嘩を止めて、やっとこさ飲み屋さんに向かうことができたのだった。
沖田さんはというと、
"昼にチャイナと決闘して疲れたんでねィ。いや疲れてないヨユーだったけど仕事で疲れたんで寝ます。"
そう言ってあっさり飲みに行くのを辞退した。つーか仕事してねえだろって、私と土方さんと門番さん、揃いに揃ってそんな顔をしたけれど、また喧嘩が始まるから言わないでおいた。
「お店が多いのは歌舞伎町あたりですかね」
「如何わしい店ばっかりじゃねーか」
「隠れ家バーとかあるんですよ?」
「ンなとこ行ったら犯罪者みてぇなんがうじゃうじゃいんだろ。今日はもう休みてェんだよ」
「あはは、らしくないですね」
オフだ、オフ。そう言って懐の煙草に手を伸ばす、が何もつかまずその手は戻ってきた。
「...煙草もオフですか?」
「まあな。らしくねェか?」
「ふふ、まあそうですね」
適当なお店を探しながら街を歩く。ふわっといい匂いが漂ってきた。これは、
「おでんか」
「いいですねえ、熱燗で、くいっと」
「そこの屋台だな。行こうぜ」
お洒落でフルーティなカクテルは何処へやら。
どうやら私たちは庶民派のようで、漂ってきた匂いと温かい提灯の光にまんまと釣られてしまった。
さあて、たんといただいちゃいましょうか。