銀魂

□ウコンで乾杯
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「よ、ぐーぜん。」

「銀時」

「銀さんですぅ。どーしたよ、シケた面して」

「んー私作詞家には向いてなかったみたいなの」

「何お前料理人目指してたんじゃねーの」



そばにいたいよ〜って歌えば、原曲台無しにすんなだとかドラちゃんが泣くだとか散々だった。もー、お世辞でもなんでもいいから笑ってよ。



「で、そのおセンチは相方のかわい子ちゃんと何かあったってとこだな」



なんで分かるの。目をパチクリさせたら、買い出しに1人で来ているからだという。



「...そう、そうなの。なんだか1人がすごく寂しくて。」

「お前そんなに甘えん坊だったっけか」

「だってね、本当は私だってみんなとお酒飲んでどんちゃんしたかったのよ。あ、昨日はお花見。でも、朝番があるから我慢してね...」



うん、ああ、と銀さんが鼻をほじりながら言う。

適当に聞き流してくれてる感じが丁度良くて、なんだか愚痴が止まらない。


山崎さんみたいに、同期とかんぱーい!ってしたかったのに、蓮ちゃんは土方さん連れて飲みに出ちゃったし。

朝もなんだかんだ、お粥はたくさん余ったし、残飯も多かった。

隊士たちのご馳走様は聞けず、皆、口々に、ごめん、だとか、気持ち悪くなってきただとか言って食堂を出て行ったのだ。



「...朝ごはんね、1人で準備したんです。蓮ちゃん、局長への休みの連絡を朝方に土方さんにさせて。自分で私にも連絡いれてほしかったよコンチクショーだよ」

「え、何。その2人デキてたのか?」



銀さんが鼻に指を入れたまま静止する。



「ん?」

「蓮ちゃんの休みの連絡が土方くんからゴリラに伝わったんだろ。その2人朝まで一緒にいたってことで、デキてんの?って聞いてんの」

「いや、近藤さんはお妙さん一筋でソッチの気は」

「いやそうじゃなくて」



蓮ちゃんと土方さんのこと。

私の脳内処理は、”2人で街へ飲みに行った”ところまでで止まっていた。



「沖田さんの言う通り本当にある意味お花見を...」

「え?何?」

「き、気がつきたくなかった。明日からどんな顔して接したらいいの」

「別にフツーでいんじゃね」

「普通になんてできるもんですか」



ため息混じり銀さんが、甘えん坊の原因はこれだったかという。



「それじゃ、今日の夜は俺に甘えとく?」



そして私の頭に手を優しく置いた。



「あああ」

「何だよ涙目になって」



だってさっき鼻ほじってたでしょ!


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