銀魂 攘夷
□日課
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血糖値がさらに上がりはじめてひと月。
ゆきは日課ができつつあり、ヅラとの朝の掃除洗濯から1日がはじまっていた。
何が楽しいのか高杉の素振りを眺め、ヤクルトで乾杯。
暇な時には辰馬に町や舟釣りやと連れ回されている。船酔いの介抱までがセットだ。
今日は夜釣りだといって、舟には乗るなとヅラの念押しに軽く答え、2人で嬉々として出かけて行った。
それから暫くして、いつものように屋根の上でぼうっとしていると、なにやら引きずるような音が聞こえてきた。
見れば、細長くデカイ影がズリズリとゆっくり動いている。耳を澄ますと、ゆきと辰馬の声。
「オイオイ、なんだあのデカイの、マグロでも釣ったのか...ってあれ辰馬じゃん」
ゆきが肩に辰馬をかかえ、ヨロヨロと歩いていた。はーん、また舟に乗ってやんの。
すぐさまヅラが駆けてきて、2人に説教をくれてやっている。
「だからあれ程舟には乗るなといっただろう!坂本貴様、海に落ちたらどうするんだ」
「だって、ゆきがイカとか釣れそうっていうしぃ...ウェップ」
「そんなあ。夜だしやめようっていったじゃない。無理矢理舟に乗せといて、言い掛かりだよ」
「ゲソの天ぷらが美味しいって言ったゆきが悪ウェ、やっぱ揚げ物今無理」
ヅラがゆきから、ある意味マグロ男を引き受けた。寺の方..こちらを向き直し、歩いてくる。
戸が閉まる音が聞こえた。俺はふうと息をついて横になる。
騒がしいのが終わったかと思えば、梯子の軋む音がしはじめた。