銀魂 攘夷
□じゃない桂だ
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ほれ、はよう行け」
「ちょっ押すなまだ心の準備が」
「なんじゃスタンバっとるんじゃなかったんか。ほれほれ」
ガラッ
「あの〜ゆきちょっとええか。ヅラの奴が話がある言うておるんじゃ」
「はい、何でしょう」
「ヅラおまん何照れとるんじゃ早ようせえ」
「あの〜ゆき殿、ぼっ僕のこと小太郎って呼んでもらえないかなっなんて」
「小太郎」
「よかったの」
「ああ。ありがとうゆき。だがなんかもっとこう甘酸っぱいの求めてたんだが俺は」
「甘酸っぱいの...苺大福ですか?いちごは買って無いなあ」
「あ?お前らわざわざ文句言いに来たのか。阿呆ヅラ下げてねーで手伝えや」
「阿呆ヅラじゃない小太郎だ」
「そう言う高杉こそ可愛い格好じゃの。三角巾とフリフリのエプロン...ってそれ今日ワシがゆきにプレゼントした奴ぅぅ!」
阿呆のやり取りを聞かないようにしていたが、辰馬の叫び声が嫌でも耳に刺さる。
何々、高杉が可愛い格好してるんだって、と俺はからかいに立ち上がった。
「脱げ!今すぐ脱いで!なんでお前が着とるん
じゃ」
「おい待て辰馬、写真撮って拡大印刷して奇兵隊の旗にしよーぜ」
「銀時てめぇこんな時だけ起きてきやがる」
涙ながらに訴える辰馬に押され、高杉はエプロンを外し、ゆきに手渡す。あーあ脱いじまった。
辰馬は何故高杉が、とゆきに問いかける。前掛けを貸せと言われたが、これしかないとそのエプロンを出したというのだった。
「ゆきちゃんさあ、お前もちょっと面白がってただろ」
「え、いやあ...そんなこと...滅相もない」
半笑いでエプロンをつけるゆき。プレゼントで遊んでしまってごめんと辰馬に謝っていた。ほら面白がってたんじゃねえの。
「...さて、これからもち米を餡子で包むの。それが終わったら夕飯にしますね」
「それならワシもやるぜよ」
「そうだな、その方が早いだろう」
ヅラも辰馬も、ノリノリで腕捲りをし始める。高杉にお前もさっさとやれと悪態をつかれた。
「俺も?俺のお土産なのにムグ」
口に餡子を突っ込まれた。味見、といってゆきが笑う。
「...及第点」
「厳し〜。おじいちゃんにもそう言われ続けてるの。あっ小太郎、ご飯取る前は手を水で」
「小太郎じゃない、ヅラだ!じゃなかった桂だ」
「「「えええええ」」」