銀魂

□捜査のお供は
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「あ、このチーカマどこ入れる?冷蔵庫?」

「ええと、真選組ソーセージの所に。常温で大丈夫です。そうそう、普通の魚肉ソーセージ売り切れで、代わりなんです。3軒見たんですけど、どうも入荷の都合でどこにもなくって」

「ま、気分が変わっていいんじゃないかな。あ、あんぱんもそうだよ。いつもありがとう、ゆきちゃんの手作りになってから調子がいいんだ」


よかった。潜入捜査後の山崎さんはいつもげっそりしていた。聞けば牛乳とあんぱんのみ。だからせめて初日くらいは、と手作りさせてもらうことにしたのだ。


「俺かぼちゃ餡と、あの中華あんぱん好きなんだよ、肉まんみたいでさ」

「あはは、それ言っちゃうと例の神様怒るんじゃないですかね。あ、冷凍庫に新作入れたんです。ずんだ餡」

「美味そうだなー、フツーにおやつに食べたくなっちゃうよ。あ、そうだ。今晩あんぱんもらうね」

「はい、ふふ、こんばんあんぱん」

「何言ってんの」



一応は機密事項のため直接言わないけれど、あんぱんもらうね、が行ってきますの合図。

棚への整理が終わり、食料庫を出る間際。
山崎さんがぽつりと言った。


「...今日は多めにもらってくよ」

「そっか、」

「...俺さ、ゆきちゃんが、いや、あの、ゆきちゃんのあんぱんが好きだよ」

「嬉しい。また沢山作って帰りを待ってます」

「...これがドラマだったら何かここでワンアクションがあるんだろうけどさ、さすがに定食がいいかな」

「あはは、その通りですね。みんなでワイワイ食べましょうね」


それと、次の食器下げじゃんけんは負けない、と宣言をして戸をくぐる。


「俺は2人で食べたいな」


でないとじゃんけんで負けたら片付け大変だろ、と山崎さんは少し呆れたように微笑んだ。


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