銀魂

□蜂蜜入り
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「あー、あのよ、夕方迎えに来るって言っただろ」


門の向こうに立つは銀髪の男。
へらっと笑うが、頭をボリボリと掻いていて気まずそう。

いささかの申し訳なさはあるみたいだけど、ちょっと虐めてみる。



「今19時です。1時間も待ち惚け」



なんてね。ばりばりゲームしてたけれど。



「いろいろあったんだよ、ま、行こうぜ」

「...初対面の女の子とパフェあーんしてる人と出かけたくないです。夜に、軽々しく。」

「な、なんで知ってんだよ」



そんなに怒るつもりは無かったのに、形だけでもの謝罪もなく、まあ行こうだなんて。ムッとしてしまう。

嫌な言葉がつぎにつぎに出ちゃいそう。
そうなる前に。踵を返して玄関へと戻る。
おい、と呼び止められるも足は止まらない。



「蜂蜜!」


と聞こえたかと思うと、肩をぐいと引かれた。目の前に、蜂蜜のボトルがあった。



「あれこれ買って肝心なもん忘れてただろ」

「買って来てくれたの」

「苦いブラックばっかりにされちゃ堪んねーからな。蜂蜜は重要なんだよ」

「プーさん」

「俺をプーさん呼ばわりするとシャレになんねーな」

「ふふ、」



拍子抜けというかなんというか。
相変わらずいつも通りのヘラっとした彼の表情に、思わず脱力。

蜂蜜も嬉しかったけれど、それより気になることが。


「で、かわいこちゃんはどうなったの?」

「いやーあの、逸れてな」

「嘘つかない。」

「敵わねーなぁ。ふわっとちゃんならパフェ食った後にゴリラに迎えに来させた」



近藤さんが出かけて行ったのって。ゴリラなんて言ってゴメンなさい。


「そっか、よかった」


手のひらにぽん、と蜂蜜のボトルが載せられたかと思うと、頭に、ぽん、と大きな掌が載せられる。


“さて、行くか。かわいこちゃん”


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